研究課題/領域番号 |
23K04365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
井 誠一郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究センター, 主幹研究員 (60435146)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 結晶粒界 / 粒界エネルギー / その場観察 / 異相界面 / 透過型電子顕微鏡 / 電子線エネルギー損失分光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、結晶粒界が有する諸物性の定量評価技術構築に取り組む。 これまでに多く報告されている双結晶のような幾何関係がわかっている粒界に加えて、多結晶中の粒界、特に多結晶材料の信頼性を担保する指標の一つである粒界破壊の優先的な経路であると考えられている一般粒界の評価を可能とする手法を検討する。静的な構造解析・電子状態計測や、透過型電子顕微鏡内でのその場観察などを駆使し、定量評価技術を構築するとともに、粒界の構造(組織)・物性・力学特性に関する各種定量データの相互関係を精査し、粒界が有する物性・特性と粒界構造の関係を追求する。
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研究実績の概要 |
2023年度に得られた主な成果を以下に記す。 1.定量的顕微解析技術の構築: 予定している技術項目のうち、本年度は脆性破壊を示す代表的な材料であるSi単結晶に対して透過型電子顕微鏡(TEM)内での破壊試験を試みた。押し込み方向が<100>に平行となる単結晶カンチレバーをFIB加工により作製し、片持ち梁の曲げ試験を模擬した環境でインデンテーションホルダーを用いた変位速度一定の押込試験を行った。押込中は金属材料で認められる塑性変形に伴う荷重低下を示すことなく、押込量の増加に伴い線形に荷重が上昇した。また、その後の脆性破壊も確認し、一連の挙動に関して組織変化と力学応答の同時取得に成功した。 2.界面物性解析への応用: 界面解析への応用に向けて、edge-on条件で効率的に結晶粒界を観察するための試料作製手法について検討を進めた。SiおよびCu合金(いずれも多結晶)に対してEBSPによる方位解析を行い結晶粒の幾何情報を取得し、任意の結晶粒界の共通回転軸および方位差を測定するとともに,一軸トレースより粒界面を調べて結晶粒界毎のマクロな幾何関係を取得した。低指数の共通回転軸が試料薄膜法線に極力平行になるように試験片を配置した条件下で、FIBによる試料作製を行った。試行実験としてCu合金に高頻度で存在するΣ3焼鈍双晶を観察対象とした試料を作製したところ、TEM内での試料傾斜を比較的抑えた条件でedge-on方位からの観察に成功した。さらに、異相界面についても物性を示す基礎となる幾何関係に関する理論的な検討に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、edge-on条件でのTEM試料観察方法の検討に加えて、予定を早めてカンチレバーを用いたその場観察にも着手することができ、概ね順調に進展していると判断している。加えて、当初の計画で研究対象としていた結晶粒界に加えて、析出物/マトリックスの異相界面についても、界面物性評価に関して検討を開始し、異相界面の幾何解析に関する理論的検討に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
1.定量的顕微解析技術の構築: 当初計画していた原子構造解析やEELS測定など、TEMによる静的解析を本格的に実施する。具体的には、これまでに作製した試料から解析に着手する。特に、EELS測定に関しては種々の損失スペクトル解析に向けて、取得条件の最適化など実験条件の確立を目指す。実験条件の確立は、作製済試料における単結晶領域を用いて検討を推進し、粒界の測定を試みる。 2.界面物性解析への応用: 1.により構築した技術を今年度観察を行った低Σ粒界を含んだ試料への適用を開始し、多様な粒界へ観察対象の拡大を図る。加えて、本年度着手した異相界面の幾何解析については、結晶粒界において確立している対応格子(CSL)理論を拡張したNear CSL理論の適用を試み、界面を議論する指標について検討する。
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