研究課題
基盤研究(C)
本研究では、極めて微弱な散乱強度の観察を可能とする電子回折と散乱強度3次元マッピングをドッキングした電子回折トモグラフィを用いて、機能性無機化合物のブラッグピークの隙間空間に現れる構造特異性由来の極めて微弱な痕跡を検知し、その特徴や形成メカニズムを解明する。物質が成長時や育成後環境から受けた様々な静的動的(熱的)な履歴は、構造特異性(structural singularity)として物質自身に記録されている。構造特異性は、原子配列のゆらぎ、化学組成の不均一性して物質内部に存在し、比較的少数のパラメータで記述できる構造単位の周期的な配列(平均構造)として取り扱うことは困難である。