研究課題/領域番号 |
23K04374
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
唐 永鵬 九州大学, 総合理工学研究院, 学術研究員 (00818536)
|
研究分担者 |
飯久保 智 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40414594)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 高圧巨大ひずみ加工 / 光触媒 / 酸化亜鉛 / 高圧ねじり加工(HPT) / 密度汎関数理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、半導体酸化亜鉛(ZnO)の高圧相であるRocksalt構造を常圧にもたらし、可視光により高効率で水分解する光触媒材料を開発する。また、高圧で安定なRocksalt相を常圧下にもたらすことのできるメカニズムとその支配因子(圧力、温度、ひずみ)の解明を行う。 また、密度汎関数理論(DFT)を用いた計算科学により、高圧相の安定性やバンドギャップの空孔濃度依存性を調べ、さらに可視光による水分解で水素ガスの発生高効率を調べる。
|
研究実績の概要 |
可視光下でしかも高効率で水を分解するZnO光触媒の創製を目標に、本研究の目的は、特性の優れたRocksalt構造のZnO高圧相を常圧にもたらすことができるメカニズムを解明することである。 現在、巨大ひずみを利用した研究は盛んに行われているが、本研究ではZnOに高圧ねじり加工(HPT: High-Pressure Torsion)を施してRocksalt構造の高圧相を常圧で観察に成功しており、可視光下でも光触媒性が得られることを見出している。Rocksalt相の生成条件と、常圧にもたらすことのできる条件を明らかにした。Rocksalt相の生成のための最適なHPT加工条件を確立した。HPT加工で得られた結果は、以下のとおりである。 ZnOにHPT加工を施し、圧力2GPaと 6GPaで圧力の影響を調査した。圧力 6GPaでRocksalt相を生成できることを確認した。Rocksalt相の生成は、HPT加工によって付与されるせん断ひずみに依存することを確認した。また、HPT加工回転数N=0とN=3で導入ひずみ量の影響を調査し、導入ひずみ量とRocksalt相生成量の関係を明らかにした。回転数N=3ではRocksalt相の生成が確認された。さらに、HPT加工後の加熱試験では、温度の影響を系統的に調査した。温度を上げると、Rocksalt相の量が減少した。160°Cを超えると、Rocksalt相は完全になくなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ZnOに高圧ねじり加工(HPT: High-Pressure Torsion)を施してRocksalt構造の高圧相を常圧で観察を図った。本課題の目的であるひずみ導入量とRocksalt相の生成との対応関係を明示できたことは大きな成果である。以上のことより、研究は順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度取得したRocksalt構造の高圧相に関する基礎的知見をもとに、HPT加工法を最大限に活用し、せん断ひずみとRocksalt相の生成との関係を構築する。また、Rocksalt相生成のための支配因子(圧力、温度、ひずみ)を評価する。HPT加工法を活用し、ZnOのRocksalt相の生成メカニズムを検討する。
|