研究課題/領域番号 |
23K04390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
フィッシャー クレイグ 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (80524925)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 強誘電体 / 第一原理計算 / ペロブスカイト / 窒化物 / 点欠陥化学 / マテリアルズ探索 |
研究開始時の研究の概要 |
ペロブスカイト型窒化物/酸窒化物は優れた強誘電性および圧電性を示すことが期待されている。本研究では、第一原理計算法を用いて、高い強誘電性を示すペロブスカイト型窒化物を探索し、原子・電子レベルで窒化物強誘電体の強誘電性の起源(原子変移、相転移機構など)を解明する。また、窒素の一部が酸素に置換された影響を明らかにし、強誘電体材料または圧電体材料としての窒化物(及び酸窒化物)の可能性を開拓する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、新奇な窒化物系圧電体または強誘電体を発見することである。本年度では密度汎関数理論に基づく第一原理計算を用いて、様々なペロブスカイト型窒化物ABN3(A=La,Pr,Nd,Sm,Gd,Y,Zr; B=W,Mo,Ta)の結晶構造および基本物性を検討した。結晶中での格子振動(フォノン分散曲線)の解析により、PrWN3 およびNdWN3は強誘電体LaWN3と同様な相転移挙動を示し、新たな強誘電体窒化物候補であると予測された。一方、GdWN3、SmWN3、YWN3、YMoN3、LaMoN3およびZrTaN3においては、LaWN3系では異なり中心対称構造が最安定であるため、常圧では強誘電体になる可能性が低いことが予測された。LaWN3、 PrWN3 およびNdWN3の最安定構造である非中心対称R3c相および2番目に安定であるR3m相はすべての構造で1eV以上のバンドギャップを有していた。また、強誘電体LaWN3における点欠陥の形成エネルギーを系統的に計算し、環境条件(温度とガス分圧)による点欠陥濃度を予測した。得られた結果(LaWN3が合成しやすい条件、欠陥種など)は近年に報告された実験での合成条件と同様な傾向を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい相関交換汎関数による第一原理計算を用いて、ABN3(A=La,Pr,Nd,Sm,Gd,Y,Zr; B=W,Mo,Ta)の相安定性やフォノン分散などの系統的な検討は順調に進んでいる。さらに、LaWN3における点欠陥の形成エネルギーを検討し、先行研究の結果とよく一致することが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度はペロブスカイト型酸化物NdWN3における相安定性や分極性をより細かく検討し、LaWN3の結果と比較する予定である。また、点欠陥化学の成果により、合成条件や作動条件に役立てる情報を習得する。
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