研究課題/領域番号 |
23K04391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 辰宏 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (60344818)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フッ素樹脂 / 表面改質 / 反応 / 酸性官能基 / 界面 / 官能基 / フッ素樹脂粒子 / 反応性 |
研究開始時の研究の概要 |
フッ素樹脂の接着性の向上は、プラズマや放射線を用い高分子主鎖を切断し官能基を導入する方法で行われてきている為、分子量の低下の課題があった。本研究ではフッ素樹脂粒子表面の微量のカルボン酸に着眼して革新的な反応性フッ素粒子を開発する。これを用いて電子材料の低誘電化を目指し(i)銅箔との高い接着強度の実現(ii)フッ素樹脂/ポリイミド複合フィルムの開発を行う。これにより5G時代の高周波に対応できる新しい材料のニーズの期待に応える。
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研究実績の概要 |
フッ素樹脂粒子として、コモノマーとしてヘキサフルオロプロピレンを導入してフッ素樹脂微粒子の中でも分子量が低い為末端官能基が多いFPE(Fluorinated Ethylene Propylene)粒子を用いた。真にフッ素樹脂粒子表面上に微量でも酸性官能基があるのか、それが、利用できる形態なのかに関して実験を進めた。 まず形状観察を電子顕微鏡観察から行い重合後の粉末が、1ミクロン以下の非常に小さな粒子からなり平らでない複雑な表面積が大きい形状であることを確認した。次に末端官能基の分析を、赤外分光スペクトルの1820cm-1(C=O伸縮COOHフリー)と1780cm-1COOH会合)から行い確認した。 その結果を基に高沸点のアルコール系溶媒であるPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)に分散させて、また、ポリビニルオキサゾリンを溶解させて反応させた。FEP粒子を遠心分離にて沈降させて、未反応のポリビニルオキサゾリンを洗浄する作業を何度も繰り返すことで、ポリビニルオキサゾリンが反応結合したFEP粒子を得た。その赤外分光スペクトルの1820cm-1(C=O伸縮COOHフリー)と1780cm-1COOH会合)の消失、また、アミド基とエステル基が確認できたことで、アミドエステル結合の生成と、未反応のオキサゾリンが確認でき、ポリビニルオキサゾリンがFEP表面のCOOHと反応し被覆ができたことを確認した。 これよりFEP粒子表面上には、微量でも酸性官能基が確実にあり、微粒子表面が複雑に入り組んだ構造でも、溶解したポリビニルオキサゾリンがその入り組んだ構造にはいっていき、微量なCOOHが反応被覆利用できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
形状観察を電子顕微鏡観察から行い、末端官能基の分析を、赤外分光スペクトルの1820cm-1(C=O伸縮COOHフリー)と1780cm-1COOH会合)から行い、ポリビニルオキサゾリンがFEP表面のCOOHと反応し被覆ができたことを赤外分光スペクトルから確認し、当初の予定の計画どおり進んでいる為。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、酸性官能基は、内部と表面と両方の可能性があり、表面のみに存在しているのか、低分子オキサゾリンを用いて定量的に確認する。また、ポリビニルオキサゾリン被覆に関して、その被覆量に関しても定量的に確認する。また、ポリアミック酸溶液を購入して、FEPにまず、ポリビニルオキサゾリン被覆、そして、ポリアミック酸を被覆を行う。その後、薄膜剥離試験や、複合体フィルムの作製と強度評価について、FEP被覆なしを比較基準として、被覆の効果に関して研究していくことを、当初の予定どおり計画している。
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