研究課題/領域番号 |
23K04406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小西 智也 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (90455163)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 表面修飾 / ナノ蛍光体 / 希土類イオン / 分光分析 / ceramic phosphor / surface modification / hydrophobic interaction |
研究開始時の研究の概要 |
表面修飾と発光効率の両立を図るため、エネルギー失活のパスとなる化学結合を作らず、機能性高分子が疎水的にカプセル状に取り囲むような表面修飾を行い、発光効率への影響がないことを実験的、理論的に検証する。具体的には、疎水性蛍光体表面に、疎水性モノマーと両親媒性マクロモノマーを疎水性相互作用により表面修飾させ、モノマー同士を共重合させることにより、弱いフォノン相互作用と強固な表面修飾の両立を図る。
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研究実績の概要 |
希土類添加セラミックスナノ蛍光体は、特殊蛍光インク、 蛍光バイオイメージングなど様々な分野での応用が進んでいるが、機能性付与のため、高分子による表面修飾が必要不可欠である。しかし、従来の結合様式では希土類イオンの励起エネルギーが修飾分子へ失活してしまい、大幅な発光効率の低下が避けられない。本研究では、表面修飾と発光効率の両立を図るため、エネルギー失活のパスとなる化学結合(イオン結合、共有結合)を作らず、機能性高分子が疎水的に取り囲むような表面修飾を試みるとともに、発光効率への影響を実験的、理論的に検討する。 これまでの研究で、常温ソフト溶液化学を利用したビルドアップ法によりEr3+添加α-NaYF4ナノ蛍光体を合成し、粉末XRD法による結晶構造解析とFE-SEMによるナノサイズの粒径およびキューブ状の粒子形状を確認した。一方で目視による蛍光発光は観測されなかった。熱処理をおこなったところ、β相への相転移とともに発光強度が増大したものの焼結による凝集の傾向もみられた。熱処理温度を詳細に制御し、焼結を起こさずに発光強度が最大限増大する温度を決定した。 続いて、疎水性相互作用によるスチレンモノマーの吸着・重合プロセスを利用した表面修飾を試みた。熱処理したナノ蛍光体を溶媒中に再分散させ、蒸留したスチレンモノマーを加え、撹拌を続けた。反応終了後、透析による未反応モノマーの除去、遠心分離・再分散による洗浄、乾燥を行った。得られた粉末試料の赤外分光分析により、表面での重合を確認した。粉末XRD解析、FE-SEM観察によりナノ蛍光体への物理的影響はないことを検証した。発光強度の解析により、表面修飾後も発光強度の低下は抑制されていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の計画は弱い疎水性相互作用と重合による表面修飾と振動解析による表面構造の検討であった。前述の研究実績は、2023年度の研究計画に準ずると判断されるため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降の計画に沿って、マクロモノマーとの共重合によるナノ蛍光体の表面修飾を行い、溶液中の分散安定への寄与を検証する。また、理論的、実験的側面から希土類イオンの発光に結合する振動エネルギーを特定し、発光効率への影響を検討する。
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