研究課題/領域番号 |
23K04435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
王 志剛 岐阜大学, 工学部, 教授 (30244510)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 塑性加工 / 材料破壊 / 切削鍛造 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は、板鍛造の学術体系の構築を模索する中で、金属の切削機構を活用した「切削鍛造法」の原理を着想し、2019年に公表した。切削鍛造法は、精密鍛造法の最大の技術課題である工具圧力の過大を克服し、小さな加工力と少ない加工エネルギーで被加工材の一部の位置を自由に変えることができ、大型で複雑形状の精密部品の成形に適しているが、その実用化を推し進める過程で破壊現象に遭遇した。 本研究は、切削鍛造加工における破壊現象の発生条件および発生機構を明らかにしようとするものである。本研究によって、切削鍛造法の加工限界や適用可能な製品形状を明らかにし、省エネルギーで環境にやさしい切削鍛造法の早期普及を図る。
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研究実績の概要 |
塑性加工法は被加工材に塑性変形を加えて成形するため、成形品にボイドなどの微小欠陥を残すことが多い。この微小欠陥が発達し、成形品の品質に何らかの影響を及ぼすレベルになると、成形欠陥と見なされる。成形欠陥がさらに成長すると、巨視的な材料破壊に至り、成形限界を迎える。材料破壊の限界ひずみは応力三軸度に依存し、単軸圧縮の応力三軸度付近では材料破壊の限界ひずみが急増するが、このあたりでは、座屈が発生するため板材を用いる試験が難しく、実験データが極端に少ない。さらに、単軸圧縮の応力三軸度以上の圧縮応力場においては材料破壊が発生しないとされている。 本研究の目的は、実験データの乏しい単軸圧縮に近接する圧縮応力場における材料破壊問題に対して、切削鍛造法を活用して破壊の発生条件を明らかにするとともに、切削鍛造法の工業利用のガイドラインを提供することである。そのため、切削鍛造における破壊の限界ひずみ-応力三軸度の関係を明らかにするとともに、巨視的な破壊に至る過程において微視的な欠陥の生成・成長の過程を観測する。 2023年度は研究室保有の切削鍛造加工装置の改良を行い、切削加工で製作したアルミニウム、銅および炭素鋼製の有底円筒カップに対して切削鍛造を行った。その結果、アルミニウムA1100、A5052および銅C1100材では、破壊は見られなかった。炭素鋼S25Cでは、切削パンチの切れ刃出口付近で微小な割れが多数観測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被加工材の材種によって、製品表面の表層に微細割れの発生が確認された。当初予定に従い、次年度において、加工条件を変更し、割れの発生状況を調べる。
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今後の研究の推進方策 |
製品表面に微細割れの発生が観測された炭素鋼を対象に、切込み量を変更し、材料に与える塑性ひずみを制御する。また、パンチ切れ刃の丸みを変更し、当該部位の応力状態を変更させ、破壊の有無を調査する。
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