研究課題/領域番号 |
23K04445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 良祐 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (10612400)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ポーラスアルミニウム / 補修 / 燃焼合成 / アルミニウム合金 / 接合 |
研究開始時の研究の概要 |
多数の気孔を内包するポーラスAlは軽量構造材料として期待できるが,セル構造を破壊せずに接合することが難しい.発泡接合を用いれば,母材強度と同等の接合を達成しうるが,長時間加熱保持する必要があり生産性とエネルギ効率が低い.カーボンニュートラル実現に寄与するため,ポーラスAlを高速・低エネルギで強固に接合する技術が必要である.わずかなエネルギを与えるだけで化学反応とともに大熱量が生じ,反応が高速で伝播する燃焼合成に注目する.燃焼合成が生じる発熱体をクラッドしたフィラーを用いれば,長時間加熱することなく高速で発泡接合可能である.このようなフィラーを開発し,これを用いた発泡接合の有効性を検証する.
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研究実績の概要 |
ポーラスアルミニウムは多数の気孔を有するアルミニウム基複合材料である.ポーラスアルミニウムはそのセル構造に起因して様々な工業的に有益な特性を有する.しかしながら,セル構造に起因して局所負荷により損傷が生じやすい.著者はこれまでに局所的損傷の補修方法として発泡補修法を提案し,その有用性について示した. 深く損傷したポーラスアルミニウムを補修するために,発泡補修では電気炉内で加熱してフィラーを発泡させる必要があるが,大型部材全体を加熱すると消費電力が大きくなり,補修コストが高価になる.補修孔に挿入したフィラー端部を加熱するだけで,フィラー全体を発泡させることができれば,安価に補修することが可能となる.本研究では,補修に及ぼす被補修材の熱容量の影響を調べるとともに,燃焼合成粉末をフィラーに添加しておくことで,局所的かつ瞬間的な加熱で補修を完了させることが可能か調べることを目的する. 被補修用ポーラス純アルミニウム直方体中央部に補修孔を穿孔した.大型ポーラスアルミニウムの大きな熱容量を模して,被補修用ポーラス純アルミニウムをアルミニウム厚板の上に設置し,フィラーを補修孔に挿入した.TIGアーク加熱を用いてフィラー端部を加熱し発泡補修した.比較のために,断熱材の上に被補修用ポーラス純アルミニウムを設置し,補修孔にフィラーを挿入してTIGアーク加熱する発泡補修も行った. アルミニウム厚板上で発泡補修を行った場合,熱がアルミニウム板厚に奪われるため,温度が上がらず,フィラーは加熱面から約2mmしか発泡しなかった.一方で,断熱材上で加熱した場合,加熱面から約8mm(フィラー全体)が発泡した.熱容量の大きな大型部材を発泡補修する場合,局所的な加熱だけでは補修が困難であることが分かった. なお,本研究では圧延粉砕法を用いて燃焼合成粉末の作製を試みたが,燃焼合成反応を示す粉末の作製には至らなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
文献通りに圧延粉砕法を用いて燃焼合成粉末の作製を試みているが,耳割れ場激しく,失敗し続けている.圧延機の利用窓が狭く試行回数も伸ばせなかったことも理由として挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
圧延粉砕法による燃焼合成粉末の作製を続ける.これまで,燃焼合成に有利な微細な組織を得るため,冷間圧延を試みてきたが,燃焼合成粉末の性能低下が生じても,焼鈍や温間・熱間圧延も駆使して燃焼合成粉末作製を成功させる.圧延機の利用窓が狭い問題に関しては,短期レンタルや公設試などで圧延機が利用できないかを含めて検討する.
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