研究課題/領域番号 |
23K04490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
内田 寛 上智大学, 理工学部, 教授 (60327880)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 無機材料 / 水熱合成 / 金属酸化物 / 単結晶 / マイクロ波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は水熱反応条件下での金属酸化物単結晶の成長プロセスを研究対象とし、その研究過程において申請者が近年新たに発見したマイクロ波照射下での超高速の結晶成長反応に係る原理の解明、ならびに本現象を利用した単結晶の高速製造プロセスの設計開発を目指す。それらに対する研究アプローチとして、水熱反応条件下での結晶形成工程を溶解・再析出(均一系反応)および表面成長(不均一系反応)の二つに区分し、各工程に対するマイクロ波照射の効果(熱的・非熱的)を解析・検証する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は水熱反応条件下での金属酸化物単結晶の成長プロセスを研究対象とし、その研究過程において申請者が近年新たに発見したマイクロ波照射下での超高速の結晶成長反応に係る原理の解明、ならびに本現象を利用した単結晶の高速製造プロセスの設計開発を目指す。それらに対する研究アプローチとして、水熱反応条件下での結晶形成工程を溶解・再析出(均一系反応)および表面成長(不均一系反応)の二つに区分し、各工程に対するマイクロ波照射の効果(熱的・非熱的)を解析・検証した。 2023年度の活動においてはまず、ニオブ酸カリウム系やチタン酸鉛系材料の水熱合成プロセスを対象として“均一反応系”での目的化合物の形成反応の機構を検証し、その結果、中間生成物の形成反応を介した多段的な反応過程の可能性を確認した。一方、反応系内に設置された単結晶母材の最表面を利用した“不均一反応系”での検証実験では、中間生成物の形成を介さない直接的かつ迅速な目的化合物の形成過程が確認され、あわせて適切な結晶構造を有する単結晶母材を用いることで同様の結晶配向性からなる単結晶状の目的化合物をエピタキシャル成長させることに成功した。これらの反応はいずれも主として系内溶媒である水 H2Oのマイクロ波吸収と発熱昇温に基づいた熱的効果によるものであることを解明し、従来の対流加熱に基づいた反応プロセスなどと比較して大幅な反応促進が可能であることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の活動においては当初の計画に従い概ね順調に研究が実施され、下記(1)(2)の成果を達成することができた。 (1) ニオブ酸カリウム系ならびにチタン酸鉛系材料の水熱合成プロセスを対象として“均一反応系”における原料の溶解・再析出機構を検証した。各種条件での水熱合成時に産出された反応系内残留物(溶液・析出結晶)の化学組成ならびに結晶相の状態を分析することで目的化合物の形成過程を解明し、それらの反応が中間生成物の形成反応などを律速段階とした多段的な形成反応過程であることを推定した。 (2) (1)と同様の材料合成プロセスを対象として“不均一反応系”における結晶成長機構を検証した。反応系内に設置された単結晶母材の最表面における目的化合物の成長機構を調査し、その結果、均一系反応とは異なり中間生成物の形成反応などを介さない直接的な目的化合物の形成が主な反応過程であることを解明した。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、“均一系反応”および“不均一系反応”のいずれも反応溶媒(水 H2O)によるマイクロ波吸収と系内昇温を起源とした熱的効果が反応促進の主因であることが検証実験により確認されている。一方、原料物質、中間生成物、単結晶母材、あるいは合成物自身のマイクロ波吸収に基づいた非熱的な反応促進の機構について継続的に検証が必要であり、今後の活動においてそれらを意識した研究計画を組み込む予定である。 あわせて、当初の研究計画として立案した実証的な取り組み、すなわち「結晶成長に適した反応場条件の考案・設計」についてもこれまでの活動で取得した成果を元に遂行することを予定している。
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