研究課題/領域番号 |
23K04505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
秋山 裕和 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60914140)
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研究分担者 |
清水 一憲 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (70402500)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 共誘導 / 心血管 / 心筋細胞 / iPS細胞 / 実験計画法 / モデリング / 再生医療 / 共分化誘導 / 心筋組織構成細胞 / Design of Experiments |
研究開始時の研究の概要 |
次世代再生医療では、複数細胞種から成る高機能組織の移植治療が鍵となる。本研究では、心筋再生を対象に、iPS細胞から心筋組織構成細胞(心筋/血管内皮/間質細胞)を最適構成に共分化誘導し、複数細胞種間相互作用に基づき機能発現を最大化できる培養プロセスの確立を目指す。その手段として、統計的実験計画設計&モデル化手法であるDesign of Experimentsを駆使し、複数の分化誘導因子の濃度・組合せ・作用時間を変数とする共分化細胞構成予測モデルを構築する。モデル予測に基づき、これまで不可能であった、機能発現を最大化する絶妙な細胞構成に共分化誘導を制御できる条件を見出し、プロセスを確立する。
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研究実績の概要 |
本年度は、①iPS細胞からの心血管系前駆細胞誘導の最適化、②心血管系前駆細胞から心筋・血管内皮・壁細胞の3細胞種を共誘導するための分化誘導因子の目処付け、を行った。 [①前駆細胞誘導の最適化] 完全実施要因計画を利用し、既報を参考に選定した3つの分化誘導因子の前駆細胞誘導効果を評価したところ、2因子で強い誘導効果が確認できた。この結果に基づき、応答曲面法による最適化を試みた。応答曲面モデルでの予測誘導率95%の条件を選定し、3バッチの繰り返し検証実験を行ったところ、いずれも、おおよそ95%の誘導率が得られ、予測が正しいことに加え、効率・安定性とも十分に高いことが確認でき、前駆細胞誘導の最適化に成功した。 [②共誘導因子の目処付け] 上記の最適化条件で誘導した前駆細胞に対して、既報を参考に選定した心筋細胞・血管内皮細胞・壁細胞の誘導因子の共刺激効果を評価した。その結果、評価対象因子のうち2因子を混合時に、3細胞種を共誘導できる結果が得られた。本評価は、固定した水準での評価であり、細胞種によっては誘導率が低いものもあったが、因子の水準を調節することで、共誘導をうまくコントロールできると考える。この検討により、3細胞種の共誘導因子の目処付けが完了した。 以上の結果より、心筋細胞・血管内皮細胞・壁細胞の3細胞種を狙いの細胞構成に共誘導するプロセスの確立に必要な前検討がすべて問題なく完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
助成前に予備検討を十分に行っていたことが功を奏した。前駆細胞誘導の最適化が不十分だとバッチ内、バッチ間差が大きくなり、結果が安定しにくくなることをリスクとして事前に想定していたため、それを回避するべく、最適化にかなりの力を入れたことで、その後の検討をトラブルなく円滑に進められ、順調な進捗につながった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2023年度の成果をもとに、共誘導因子(2因子)を変数とした3細胞種の誘導率に関するモデリングを行うことで、狙いの細胞構成に誘導できる共誘導プロセスの確立を行う。さらに、プロセスが確立でき次第、得られた細胞群の機能・成熟評価を行い、共誘導プロセスの優位性を実証する検討を行う。
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