研究課題/領域番号 |
23K04506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
堀内 淳一 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (30301980)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Fed-batch culture / E. coli / VHH / Machine learning |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では申請者らが見出した低分子抗体の菌体外分泌生産技術をさらに発展させるため、新たにVHH抗体を対象に、機械学習を適用した抗体配列情報に基づく高発現・高分泌クローンの効率的な探索手法を検討し、得られたクローンを用いてVHHの分泌生産に焦点を当てた培養工学的検討を遂行することにより、組換え大腸菌を用いたVHH抗体の高効率菌体外分泌生産技術を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
代表研究者は、各種の低分子抗体開発の一環として、ペリプラズム分泌シグナルを導入した組換え大腸菌を用いた溶存酸素濃度(DO)-stat流加培養により、これまで不可能とされてきた大腸菌による活性型単鎖抗体(scFv)の4-6g/Lもの高濃度菌体外生産を報告した。この手法が確立できれば大量に発現した低分子抗体を培養上清から直接精製できるため、生産コストの画期的低減が可能となる。 さらにこれまで低分子抗体の開発では、抗原結合活性に基づくスクリーニングにより取捨選択が行われてきており、実用化において重要な発現レベルや生産性の高い低分子抗体を選抜する観点は欠けていた。もし低分子抗体のアミノ酸配列からその生産特性を予測する子tができれば、本分野の発展に大きく寄与すると考えられる。 本申請ではこののような背景の下、次世代低分子抗体医薬を対象に、機械学習を適用した抗体配列情報に基づく高発現・高分泌クローンの効率的な探索手法を検討し、得られたクローンを用いて培養工学的検討を遂行することにより、組換え大腸菌を用いた低分子抗体の高効率菌体外分泌生産技術を確立することを目的としている。 ラクダ科動物が持つ重鎖抗体の抗原認識部位をシングルドメイン化したVHHは、医療やイムノアッセイ分野で期待される次世代の低分子抗体である。令和5年度は、組換え大腸菌を用いて複数のVHH発現株を構築することに成功し、それらの株のVHH生産特性を検討したところ、VHHのアミノ酸配列により生産特性が大きく異なることが明らかとなった。さらに高い生産性を示した株を用いて、培養槽内の溶存酸素濃度を一定に維持するDO-stat流加培養によるVHH生産の効率化を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラクダ科動物が持つ重鎖抗体の抗原認識部位をシングルドメイン化したVHHを導入した組換え大腸菌を複数構築することに成功し、それらの株のVHH生産特性を検討したところ、VHHのアミノ酸配列により生産特性が大きく異なることを明らかにした。さらに高い生産性を示した株を用いて、培養槽内の溶存酸素濃度を一定に維持するDO-stat流加培養によるVHH生産の効率化を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、高い生産性を示したVHH生産株を用いて、培養槽内の溶存酸素濃度を一定に維持するDO-stat流加培養によるVHH生産の効率化を試みる。更に機械学習を用いて、実験によらず、VHHのアミノ酸配列からその生産特性を予測する手法の開発を進める。
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