研究課題/領域番号 |
23K04512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
森 英樹 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30450894)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アルギン酸カルシウムゲル / ゼラチン / 大脳オルガノイド / 血管内皮細胞 / 脳オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
脳オルガノイドは脳と同じような組織構造をもつ細胞塊で、中枢神経発生機構の解析のための強力なツールになっているが、現状では生体外で生体組織のような十分な血管網をもつ脳オルガノイドを作製することは難しい。本研究はiPS細胞から誘導した大脳オルガノイドの内部に血管内皮細胞からなる血管網構造を導入する培養方法を開発することを目的とする。本研究では、脳の発生過程における血管構造ができる順番と位置に着目し、独自に開発したゼラチン-アルギン酸カルシウム混合ゲルを用いた血管内皮細胞の転写およびフィルムを用いた組織工学的手法により、脳オルガノイド内部への血管構造の導入を試みる。
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研究実績の概要 |
脳オルガノイドは脳と同じような組織構造をもつ細胞塊で、中枢神経発生機構の解析のための強力なツールになっているが、現状では生体外で生体組織のような十分な血管網をもつ脳オルガノイドを作製することは難しい。本研究は、独自に開発したゼラチン-アルギン酸カルシウム混合ゲルを用いた血管内皮細胞の転写およびフィルムを用いた組織工学的手法より、大脳オルガノイド内部への血管構造の導入を試みるものである。 初年度は、ゼラチン-アルギン酸カルシウム混合ゲルを用いて、血管内皮細胞を細胞外基質成分を含んだゲルや細胞集塊に転写する技術と大脳オルガノイドの培養法を検討した。3Dプリンターで作製した鋳型にゼラチン-アルギン酸混合溶液を流し込み、成型した。さらに、オートクレーブ滅菌後、ゲル上に血管内皮細胞を播種し、接着培養することができた。また、ゲルなどに細胞を転写できることも確認した。さらに、ヒトiPS細胞から、胚様体を形成した後、大脳オルガノイド誘導培地下で2ヵ月間程度培養し、直径3ミリメートル程度の大脳オルガノイドとみられる細胞集塊を誘導できた。細胞集塊の凍結切片を作製し、免疫染色法により大脳オルガノイドに見られるVZ、SVZ、CPにかけての層構造を確認した。研究の過程で得られた一部の成果を国内の学会で発表したほか、研究で用いているゼラチン-アルギン酸カルシウム混合ゲルに関する論文を学術雑誌に投稿中である。大脳オルガノイド等の細胞集塊への転写条件について最適な条件を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血管内皮細胞の種類や材料によって接着挙動に違いがあるため、条件の調整が必要であるが、血管内皮細胞の転写条件の検討に関しては概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更はない。血管形成細胞を大脳オルガノイド等の細胞集塊表面に転写できる詳細な条件を検討していくとともに、ケラチンフィルムを用いた細胞集塊の培養法についても検討する予定である。
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