研究課題/領域番号 |
23K04515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
Ding Wuxiao 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (90598757)
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研究分担者 |
鵜沢 浩隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60356566)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 生物毒素 / 検知チップ / 糖鎖 / 生体模倣膜 / 表面解析 |
研究開始時の研究の概要 |
代表者らは、糖鎖を金表面に固定化を行い、局在表面プラズモン共鳴(LSPR)バイオセンサーによる、生体に有害な生物毒素の高感度・迅速な検知法の開発を行っているが、検知チップ(LSPRチップ)の作製過程において、チップの個体差や再現性に課題がある。本研究は、チップ表面のナノ構造や糖鎖分子膜の分子配列に関する情報を様々な分析法で解析し、チップの状態と検出感度・検出再現性の関係性を解明する。更に、糖鎖を担持したチップに膜貫通型毒素(A1B5型毒素)を作用させ、原子間力顕微鏡(AFM)による毒素侵入過程を直接観察する事で、毒素感染機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究目的は、LSPRチップ作製過程における糖鎖の導入を定量的に解析するとともに、擬毒素への検出感度の向上を目指す。 まず、リシンとの結合できるLipoyl lactoside糖鎖を一段階で合成・精製に成功した。さらに、Lipoyl lactoside糖鎖を窒化ケイ素基板に固定した。高感度反射法FT-IRを用いて窒化ケイ素基板上の糖鎖(Lipoyl lactoside)を測定した結果、糖鎖由来のC-H伸縮ピークやアミドピークが観察されなかった。新たに合成した重水素標識化した糖誘導体(Lipoyl-C12H24-glucoside)を用いて、C-D伸縮ピークの有無を確認中。 検出感度の向上のため、LSPRチップ上の金ナノ粒子の修飾密度や配列の制御に着目した。市販の金ナノ粒子(40nm)を4倍に濃縮し、窒化ケイ素基板上に固定後電子顕微鏡で観察した。濃縮によって金ナノ粒子の修飾密度が1.5倍に向上し、擬毒素への検出感度も2倍弱に増強した。さらに、サイズが異なる金ナノ粒子の組み合わせで、金ナノ粒子2層化したLSPRチップも構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
重水素標識化した糖誘導体(Lipoyl-C12H24-glucoside)の合成に成功し、それを修飾した金基板を高感度反射法FT-IRで解析中。 LSPRチップ上の金ナノ粒子の修飾密度や配列の制御によって、擬毒素リシンへの検出感度は2倍弱に増強した。また、金ナノ粒子2層化したLSPRチップの構築にも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き高感度反射法FT-IRなどの手法でLSPRチップを解析、検出感度の向上や相関性の解明に努める。特に、検出過程でノイズシグナルの最小限化にも工夫が必要。
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