研究課題/領域番号 |
23K04524
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
朝岡 秀人 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 上級研究主席・副センター長 (40370340)
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研究分担者 |
矢野 雅大 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (30783790)
成島 哲也 東京工業大学, 理学院, 研究員 (50447314)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | キラル / 半導体表面 / 応力 / 表面再構成 / ナノ構造 / ナノ構造化学 / 結晶成長 / カイネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
一般のキラル物質の化学合成では右手系・左手系に対応するキラル物質が半数ずつ出来るが、それぞれが特有の生物的機能、化学反応特性、光偏向特性、電子スピン物性に深く関わっている。それらキラル物質は円偏光などキラルな対象と相互作用しない限り一方のキラルを識別し分離することが困難である。身近な自然界にはアミノ酸はほぼ左手系のみ,糖はほぼ右手系のみが存在しているのにも関わらず、現在片方のキラル物質で構成されたホモキラルの起源を解明できていない。我々は新たな高効率・安定的なキラル物質の完全分離機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
右手系・左手系のキラル物質制御はカーボンニュートラルにつながる触媒反応や、新規光学デバイスのイノベーションに直結する。しかしキラル物質は円偏光などキラルな対象と相互作用しない限り識別が困難であり、高効率・安定的なキラル分離手法の確立が希求されている。我々は独自に発見した1軸応力方向に対応し出現するキラルSi(110)再構成表面の組み替え技術を発展させ、1軸応力の方向・大きさを駆動力としキラル選択性を実現するために、キラル分子と相互作用し得るキラルなSi(110)16×2と2×16再構成構造を組み替えて活用する。Si(110)ジャスト面のキラル半導体表面であることから、安定的なキラル選択性を実現する。さらには近接場円二色性イメージング法の適応物質を拡大し、半導体表面上のナノ空間領域のキラル光学特性解析、リアルタイム観測によるキラル光学活性構造の成長カイネティクスを解明する。本年度は走査型トンネル顕微鏡のその場観察により単原子層ステップを起点とした単一キラル半導体再構成表面の生成メカニズムを解明した。さらに研究分担者成島研究員の協力のもと、キラル半導体表面の光学活性波長の選択のため、高焦点レンズを有する近接場2色性イメージング測定装置の作製を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
走査型トンネル顕微鏡のその場観察によりステップを起点とした単一キラル半導体再構成表面の生成メカニズムを解明した。さらに研究分担者成島研究員の協力のもと、キラル半導体表面の光学活性波長の選択に向けて高焦点レンズを有する近接場2色性イメージング測定装置の作製を進めており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
キラル半導体表面の光学活性波長を確定し、キラル半導体表面の立体構造や、ダングリングボンド配列構造に対応するキラル分子の脱離・吸着に伴う光学活性サイトの評価を基に、1軸応力を駆動力とするキラル分子分離・秩序化による、キラル分子表面構造とキラル光学活性構造の成長カイネティクスの対応を解明する。キラル識別能発現機構の解明によるキラル完全分離手法を確立する。
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