研究課題/領域番号 |
23K04531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
荒牧 賢治 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (80313469)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | オルソゴナル分子集合系 / 界面活性剤 / 超分子ゲル / ソフトマター / 分子集合体 / ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
生体系が有する優れた機能性と形態安定性に学び,ソフト性の高い界面活性剤分子集合体のしなやかなネットワークと機械的強度に優れた超分子ファイバーの剛直なネットワークが共存したオルソゴナルハイドロゲルを構築する。界面活性剤集合構造の違いによるオルソゴナルハイドロゲル中の超分子ファイバーの形成速度,サイズ,ネットワーク密度への影響を解明し,ゲルの機械的特性との関係を明らかにする。さらに,異種の分子集合体ネットワークの共存によるゲルの機械的特性に対する相補的,相乗的効果の発現を目指す。これらにより医薬品・化粧品などの基剤に有用なソフトマターの構築を行い,分子集合系科学の発展に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
生体系が有する優れた機能性と形態安定性に学び,ソフト性の高い界面活性剤分子集合体のしなやかなネットワークと機械的強度に優れた超分子ファイバーの剛直なネットワークが共存したオルソゴナルハイドロゲルを界面活性剤媒介ゲル化法により構築した。界面活性剤分子集合体である球状ミセルとひも状ミセルのそれぞれと超分子ファイバーが共存したオルソゴナルハイドロゲル(S-SMGおよびW-SMG)を得る組成条件(界面活性剤・超分子濃度,界面活性剤組成)について検討した。オルソゴナルハイドロゲルの複素粘性率はW-SMGの方が大きく,ゾル-ゲル転移温度やファイバー幅についても同様の傾向であった。動的粘弾性測定を行うとW-SMGはひも状ミセル水溶液と同様の粘弾性特性を示すが,ひも状ミセル水溶液と異なり,二つのMaxwell要素により構成される粘弾性挙動であることがわかった。また,W-SMGでは高い粘着性も示した。これらのことからW-SMGでは超分子ファイバーの強固なネットワークに加えてひも状ミセルの柔軟なネットワークが協同的に作用することでの特徴的な粘弾性挙動が発揮されていることを明らかにした。また,超分子ファイバーを構成する分子を12-ヒドロキシオクタデカン酸から,より水素結合サイトの多いN-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド及びN-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミドに変えることにより,剛直性の高い超分子ファイバーが形成され,ゲルの機械的強度やゾル-ゲル転移温度が高まることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究においては以下の研究項目について研究を実施する計画を策定した。 (1) オルソゴナルハイドロゲルの機械的特性の評価 (2) 界面活性剤分子集合体のモルフォロジーの違いが及ぼす超分子ファイバーの形成への影響 研究項目(1)について球状とひも状ミセルを含むオルソゴナルハイドロゲルの機械的特性を検討し,ミセル形状が異なることにより特にゲルの伸長性と粘着性が大きく変化することを見出した。研究項目(2)についてもミセル形状の違いでファイバーの太さやネットワークの緻密性などに影響があることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
球状とひも状ミセル系での検討を継続するとともに,リオトロピック液晶,ナノ・マイクロエマルションが共存したオルソゴナルハイドロゲルについて機械的特性とファイバー形成についての検討を開始する。
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