研究課題/領域番号 |
23K04551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
内藤 泰久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (10373408)
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研究分担者 |
菅 洋志 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60513801)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ナノギャップ / エレクトロマイグレーション / 微細加工 / 金属 / 再構成 / 電界効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではエレクトロマイグレーション法における形成ナノギャップ位置の制御を目指し、それに伴う物理現象を調査する。そしてその制御法を活用して3端子ナノデバイスを試作し、その有用性を示すことが目的である。研究により、極めて小さなギャップ構造を持った3端子構造が実現できれば、最新の半導体微細加工に匹敵する微細ナノデバイス開発への貢献が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究ではエレクトロマイグレーション(EM)法における形成ナノギャップ位置の制御を目指し、それに伴う物理現象を調査する。そしてその制御法を活用して3端子ナノデバイスを試作し、その有用性を示すことが目的である。研究は2段階に分かれており、まず①として、“外部電圧を印加したEM法の原理検証”と②“①で作製した3端子NGEによるナノデバイス計測”となっている。 2023年度は、①の研究開発で再現性の良いサンプルを必要としているため、電子ビーム露光装置・スパッタ装置・Arミリング装置などを駆使し、再現性の高いサイドゲート構造を有したPtナノワイヤー構造をウエハー単位で作製できるようプロセス条件を探索した。限られたマシンタイムであったが、ゲート‐金属配線構造の間隔を50nm程度にそろえた状態での形成を再現性良く可能となった。作製したデバイスについて、構造再現性・ゲートリーク電流ともに十分に利用可能な試料であることが分かり、2024年度以降、系統だった実験に期待ができる。また、マシンタイムがタイトである電子ビーム露光装置を用いずに、光露光の範囲であるが、数100nmの金属細線がゲート絶縁膜/金属に囲まれた構造を試作し、こちらでもEM法のゲート電圧依存性を評価できるサンプルを形成できた。この構造でもゲート電圧の依存性を検証でき、②につながるair gap transistorの特性評価も行うことが出来た。今後これらの構造を利用して、次年度以降の①②の検証を本格化する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までの研究では、光露光と傾斜蒸着を活用し、構造の再現性に乏しいサンプルで研究を行っていたため、定量的な議論にかけていた。その為本年度は、所属している産総研内の共用施設を利用して電子ビーム露光装置を取り入れた再現性の良いサンプル作製を試みた。しかし、共用施設の担当者と相談し、装置能力と比較してもわりかし余裕をもって構造設計をしたにも関わらず、条件出しに手こずり、サンプル作製の条件が整ったのは年度末の3月であった。その為、光露光とエッチング、ミリング装置を活用し、金属ワイヤー幅は広めだが、それをゲート絶縁膜と電極で覆った構造を作製し、②の研究を先取りできる構造を作ることが出来た。それにより、トンネル電流の三端子特性を計測に至った。このように、予定外のハプニングもあったが別方向からのアプローチもできたため、進行としてはおおむね順調ではないかと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は2023年度に条件を整えたサンプルを用いて、①と②双方の探求を同時進行で行い、2024年度中の学会発表と論文投稿を目指す。また、共同提案先の千葉工大とのディスカッションも進め、電界計算も取り入れていく。
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