研究課題/領域番号 |
23K04578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小川 修一 日本大学, 生産工学部, 准教授 (00579203)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | グラフェン / リアルタイム光電子分光 / RHEED-AES / ガスバリア膜 / 表面反応 / 歪み誘起メカノケミカル効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は燃料ガス生成用不均一固体触媒の高度化を達成するために、負性線膨張率をもつグラフェンと触媒金属の複合材料の温度変化によって発生する熱歪みにより発現する「歪み誘起メカノケミカル効果」を活用する。触媒反応への「歪み誘起メカノケミカル効果」の適用は未だ前例がないため、これまで申請者が培ってきた表面科学分野の研究成果や実験ノウハウを活用することで本研究課題に挑戦する。本研究期間中に① 金属/グラフェン積層構造の温度変化による熱歪み計測法の開発、②効果的な応力/歪みを発生させるためのグラフェン成膜方法の開発、③ 歪みによる触媒反応素過程の活性化エネルギー低下量の定量的評価、の研究課題を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究は燃料ガス生成用不均一固体触媒の高度化を達成するために、負性線膨張率をもつグラフェンと触媒金属の複合材料の温度変化によって発生する熱歪みにより発現する「歪み誘起メカノケミカル効果」を活用する。触媒反応への「歪み誘起メカノケミカル効果」の適用は未だ前例がないため、これまで申請者が培ってきた表面科学分野の研究成果や実験ノウハウを活用することで本研究課題に挑戦する。本研究期間中に①金属/グラフェン積層構造の温度変化による熱歪み計測法の開発、②効果的な応力/歪みを発生させるためのグラフェン成膜方法の開発、③歪みによる触媒反応素過程の活性化エネルギー低下量の定量的評価、の研究課題を実施する。 本年度は熱歪みを光電子分光で計測するため、参照となる機械歪みを固体に印加するためのホルダを設計・製作した。完成したホルダに黒鉛結晶を固定して歪みを発生させ、歪み印加状態での光電子スペクトルをSPring-8にて測定した。作製したホルダを用いて圧縮・引っ張りの両方の歪みを印加できた。またC 1s光電子スペクトルのシフトも確認し、現在このシフトが歪みによる影響かどうか確認を進めている。 またRHEEDを用いた歪み計測法を開発するため、複合表面解析装置の移設作業および当該装置への電子銃・蛍光スクリーン取り付けを行った。本年度から大学を異動した関係で、移設に伴う装置の解体および再組立作業が必要となったものの、再組立および真空引きまで順調に終わらせることができた。しかし年度途中で設備側の排気システム故障によりポンプを稼働させることができなくなってしまったため、実際のRHEED観察までは到達できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた歪み印加用ホルダの設計と作製が終わり、SPring-8での光電子分光観察まで行うことができたため。当初の予定通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、水素やメタン等の燃料ガス生成用不均一触媒の表面反応に歪み誘起メカノケミカル効果を適用し触媒効率の高効率化目指すことを目的として、触媒金属への効率的な歪み発生方法の開発と、歪みと反応速度を同時に計測する手法の開発を行う。これらの開発した手法を活用し、触媒反応の素過程ごとの歪みによる活性化障壁変化の学理を構築する。この目標達成に向け、2024年度では以下の研究を推進する。 1) グラフェン転写プロセスによるグラフェン被覆触媒の作製:熱CVDで作製したグラフェン被覆金属と歪みの大きさを比較するため。転写プロセスによるグラフェン被覆金属を作製する。この試料を安定的に作製するための条件を求める。 2) 2023年度に開発した歪み印加ホルダを活用し、歪みによる光電子スペクトルシフト量を求める。一方、SPring-8で利用していたBL23SUの表面反応分析装置の計測器が新しくなり、その影響かスペクトルが安定しない傾向が見られた。このような影響を排除するため、SPring-8以外での光電子スペクトル測定にも挑戦する。
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