研究課題/領域番号 |
23K04588
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
|
研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
白木 将 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (80342799)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | リチウム2次電池 / エピタキシャル薄膜 / パルスレーザー堆積法 / 表面界面物性 / 薄膜 / リチウム電池 |
研究開始時の研究の概要 |
全固体電池は、すべての部材が不燃性固体で構成されているため、可燃性の有機電解液を使用するリチウムイオン電池などの従来型液体電池に比べ、高い安全性を有する。しかし、電解質と電極の界面における大きな界面抵抗(電解質/電極界面抵抗)が実用化に向けた課題となっている。そこで本研究では、高イオン伝導性酸化物固体電解質を用いて全固体薄膜電池を作製し、その電気化学評価を行う。特に、固体電解質/電極界面に着目して、それら界面におけるイオン伝導性を定量的に評価して、界面抵抗低減、高いサイクル特性、高出力特性を、酸化物固体電解質を用いた全固体電池で実現するための開発設計指針を得ることを大きな目標とする。
|
研究実績の概要 |
本年度は、パルスレーザー堆積法(PLD)ならびにRFスパッタリング法を用いて、酸化物固体電解質リン酸リチウム(Li3PO4、以下LPO)の薄膜を作製し、そのイオン伝導測定を行った。具体的には、 (1)薄膜型全固体電池作製・評価装置の真空ポンプの起動停止、ゲートバルブの開閉、サンプルマニピュレータなどの真空機器、ならびにPLDやスパッタリング装置の成膜装置などをパソコンで制御するシステムを導入した。これにより試料作製のリモート制御も可能になった。 (2)試料搬送・管理ソフトを導入し、装置に導入した基板とメタルマスクの配置ならびに搬送をパソコンで制御・管理することが可能になった。これにより、真空・成膜装置のパソコン制御ソフトと合わせて効率的に実験を行うことができるようになった。 (3)LPO薄膜を作製し、交流インピーダンス測定により、LPO薄膜のイオン伝導率測定を行った。また、イオン伝導率の温度依存性を測定し、リチウムイオン伝導に関する活性化エネルギーを測定した。上記は、集電体にAuとLaNiO3(以下、LNO)、基板にSrTiO3(以下、STO)を用いて、Au/LPO/NbドープSTO/Auのべた膜サンプル、ならびにメタルマスクを用いて作製したAu/LPO/LNO/STOのマスクサンプルの2つのタイプの試料で実験を行い、室温においてバルクと同程度のイオン伝導率を示すLPO薄膜の作製に成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薄膜型全固体電池の作製をリモート制御で行い、効率的に実験を進めるシステムを整備することができた。また、メタルマスクを用いた試料作製にも成功した。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでにPLDやスパッタリング法を用いてマスクを利用した積層構造の作製に取り組んできた。今後は、負極にリチウム膜を用いて薄膜型全固体電池の作製とその評価を行う。
|