研究課題
基盤研究(C)
水素分子はスピンと回転という内部自由度を持っており,固体表面との相互作用においてこれらの自由度が大きな役割を担う.従来,核スピン状態の変化は基板と水素分子の2体での相互作用で誘起されると解釈されてきた.しかし,近年分子間の多体相互作用の重要性が指摘されている.転換過程においてこのような多体効果はこれまで考慮されておらず詳細は未解明である.本研究では,吸着する水素の核スピン状態および吸着サイトを制御した条件下でオルト‐パラ転換を調べ,転換過程における多体効果の影響を明らかにする.