研究課題/領域番号 |
23K04602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
小田 将人 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70452539)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 電子格子相互作用 / 欠陥反応 / 窒化ガリウム |
研究開始時の研究の概要 |
次世代パワーデバイスに向けたチャネル材料の有力な候補として窒化ガリウム(GaN)が注目を集めている。しかし、GaNは欠陥密度が大きいことがよく知られており、デバイス構造作製時にアニール処理を行うと各種欠陥が移動・集合し大型欠陥へと成長してしまうことが応用への大きな問題となっている。この問題を解決するためには、欠陥が移動・集合する際のミクロな反応機構を明らかにする必要がある。本研究では、第一原理電子状態計算を用いてGaN中における欠陥移動・集合のミクロな機構を理論的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
次世代パワーデバイスに向けたチャネル材料の有力な候補として窒化ガリウム(GaN)が注目を集めている。しかし、GaNは欠陥密度が大きいことがよく知られており、デバイス構造作製時にアニール処理を行うと各種欠陥が移動・集合し大型欠陥へと成長してしまうことが応用への大きな問題となっている。この問題を解決するためには、欠陥が移動・集合する際のミクロな反応機構を明らかにする必要がある。欠陥反応は電子格子相互作用(e-p相互作用)によって電子系のエネルギーが格子系の振動エネルギーに変換されることが原因で起こると考えられているが、従来の計算手法では大型の欠陥を含む系に対するe-p相互作用の定量的算出が困難であった。本研究では、申請者がこれまで開発してきた大型欠陥にも適用可能なe-p相互作用の算出方法を用いることで、GaN中における欠陥移動・集合のミクロな機構を理論的に明らかにすることを目的としている。初年度は(VGa-VN)複合欠陥に注目し、欠陥が移動する際の断熱ポテンシャルを算出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GaN中の(VGa-VN)複合欠陥を対象として、その安定性や電子状態を解析した。また異なる配置間の移動に関する断熱ポテンシャルをCI-NEB法を用いて評価した。その結果、Ga(N)原子移動の反応障壁は、2.2 (3.3)eVであることを明らかにした。これらの結果は、Si中の不純物拡散障壁と同程度であるため、GaN中で(VGa-VN)が移動する反応は頻繁に起きていることが考えられる。この結果は本研究の目的である複合欠陥集合反応に対する最も基礎的な情報となる。今後更なる解析を進め課題を推進していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、(VGa-VN)を含む系の振動状態解析、電子状態解析を行う。それらの結果を用いて代表者が開発した手法によりe-p相互作用を見積もる。(VGa-VN)の移動反応の時定数を求め欠陥が移動する速度を定量的に見積もる。
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