研究課題/領域番号 |
23K04631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
安田 仲宏 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (30392244)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 核電荷変換断面積 / 放出角度測定 / 重イオン / 重粒子治療 / 電荷変換断面積 |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療の高度化のために、その評価が可能な「核反応断面積」および「核破砕片の放出角度」を炭素線のエネルギー領域が十~数百MeV/nの領域で精密に測定することを目的とする。測定には、電荷弁別に最高性能を有するCR-39固体飛跡検出器を用いる。多大な時間を要することが弱点であったこの検出器の画像解析に対して、機械学習を導入することでこれを克服し、統計量を100,000程度に増やすことと新しい画像処理法により、核反応断面積で数十mb、核破砕片の放出角度で0.01度程度の分解能での測定を行う。これにより、複数の核反応モデルのベンチマークを行ない、それぞれの有効エネルギー範囲を確定する。
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研究実績の概要 |
重粒子線の核破砕反応測定にCR-39検出器による入射粒子-核破砕片追跡と反応弁別のための機械学習を導入して、以下の成果が得られた。 1)ドイツ重イオン研究所(GSI)のデータベースを用いて、これまでの実験データの解析を行った結果、入射粒子が軽い場合に核電荷変換断面積の測定手法による差が大きいことに着目した。一般的に、軽い核は破砕反応を起こす際に大角度で反跳する傾向があることから、検出器と標的を話して測定する実験体系によっては全ての反跳粒子を測定できない場合があることを粒子・重イオン輸送計算コード(PHITS)による計算により確認した。また、実験データと核反応モデルによる計算結果を比較する際にも、実験で測定できる角度範囲を計算に考慮することで系統的な差を改善できることが分かった。2)若狭湾エネルギー研究センターの加速器を用いた炭素線照射を実施した。飛程の短さによる実験の困難さから、特に入射粒子のエネルギーが100 MeV/n以下の領域の測定データがほとんど存在していなったが、薄いCR-39検出器を検出器および標的として用いることにより、30 MeV/n程度までのエネルギーが低い領域での核電荷変化断面積の測定に成功した。3)核破砕を起こした反応の前後で、親核(炭素)と娘核を追跡、電荷を特定することにより核破砕(例えば炭素が3つのヘリウム原子核に破砕するなど)の破砕モードごとに分岐比を測定することに成功した。また同時に、これらの娘核の親核からの放出角度の情報も得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに加速器を使用した核電荷変換断面積測定実験を実施できたこと。また、これまでの問題点を解決する糸口が見つかり、それを裏打ちする実験データと計算結果が得られたこと。学会などで当初を上回る数の成果報告ができたこと。
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今後の研究の推進方策 |
当該分野の問題解決の糸口が見つかったので、さらに実験の精度を上げて我々の主張の確度を向上させたうえで論文にまとめる予定。外国を含めた他機関との共同研究を模索し、開発中の研究手法の展開を図りつつ、さらなる系統的データ取得を目指す。 現在は、重粒子線治療の高度化を目指した炭素線の核破砕反応解析に特化しているが、宇宙活動での応用を目指し、さらに鉄やウランなどの重い核の核破砕反応解析への応用を図る。
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