研究課題
基盤研究(C)
脂質二重膜の基本物性を理解する上で,その相図は各脂質の混合比と脂質二重膜の相状態との関係を表す非常に重要な指標である.しかしながら,現行の相図は計測の簡便さから主に蛍光顕微鏡観察に基づく巨視的描像をもとに作成されており,脂質二重膜のすべての物性がこの相図に従うのか,という課題について詳細な研究は行われていない.本研究では申請者が開発を行った単層膜選択的な脂質拡散計測法を脂質-コレステロール3成分系の相図に適用し,二重膜を構成する2つの単層膜間の相互作用の観点から現行の相図を再評価するとともに,新たな相境界の探索を行う.