研究課題/領域番号 |
23K04662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
乙須 拓洋 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90564948)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 蛍光相関分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質二重膜の基本物性を理解する上で,その相図は各脂質の混合比と脂質二重膜の相状態との関係を表す非常に重要な指標である.しかしながら,現行の相図は計測の簡便さから主に蛍光顕微鏡観察に基づく巨視的描像をもとに作成されており,脂質二重膜のすべての物性がこの相図に従うのか,という課題について詳細な研究は行われていない.本研究では申請者が開発を行った単層膜選択的な脂質拡散計測法を脂質-コレステロール3成分系の相図に適用し,二重膜を構成する2つの単層膜間の相互作用の観点から現行の相図を再評価するとともに,新たな相境界の探索を行う.
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研究実績の概要 |
脂質二重膜の基本物性を理解する上で,その相図は各脂質の混合比と脂質二重膜の相状態との関係を表す非常に重要な指標である.しかしながら,現行の相図は計測の簡便さから主に蛍光顕微鏡観察に基づく巨視的描像をもとに作成されており,脂質二重膜のすべての物性がこの相図に従うのか,という課題について詳細な研究は行われていない.申請者は蛍光寿命の相関解析に基づき,これまで困難であった脂質二重膜の単層膜選択的な拡散計測法の開発に最近成功した.本申請課題では本手法を脂質-コレステロール3成分系の相図に適用し,二重膜を構成する2つの単層膜間の相互作用の観点から現行の相図を再評価するとともに,新たな相境界の探索を行う.2023年度は現行の相図において液体無秩序相(Ld)から液体秩序相(Lo)へと相境界なく連続的に変化するとされている脂質組成領域において,ガラス基板上に作成した脂質二重膜中各単層膜の脂質拡散変化を調べた.その結果,LdからLoへの遷移に伴い,単層膜間相互作用が増強されることを見出した.また,高コレステロール領域において,臨界点揺らぎに対応するような結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請書に記載の2023年度予定を順調にこなし,実験結果から予想を上回る結果を得た.また,これらの結果について,学会発表を行うことができた.以上のことにより,本申請課題はおおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今回の計測で得られた臨界点揺らぎにおける脂質拡散の特異性についてより詳細な解析を試みる.具体的には,2023年度に行っていた巨視的に均一とみられる相での拡散計測から,巨視的に相分離している領域へと計測領域を拡張し,相分離領域から均一領域へと脂質組成を少しずつ変化させたときの,脂質拡散変化の詳細な解析を行っていく.
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