研究課題/領域番号 |
23K04713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
宮崎 隆聡 福岡大学, 理学部, 助教 (70788504)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 芳香族イミド / 構造有機化学 / π電子材料 / 吸収・蛍光 / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
π共役化合物は電子構造を適切に設計・構築することで多彩な発光色を示す色素としてや電子や正孔を輸送する有機半導体としての応用が期待されている。本研究は芳香族イミドの一種である拡張マレイミドを基盤とした新規機能性π化合物を合成し、その機能を評価することを目的とする。拡張マレイミドはα-ケトアミドとアリール酢酸エステルを塩基存在下で反応させ、続く光縮環反応によって構築可能である。本手法を種々の化合物に適用させることで、新規機能性π共役化合物を創造する。
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研究実績の概要 |
縮合反応と光環化反応によって構築可能な芳香族イミドである「拡張マレイミド」は分子設計の自由度が高いことから、新規機能性π共役化合物を創造するにあたり、有望な化合物群である。本研究は種々の拡張マレイミドを設計、合成し、その構造や電子状態を明らかとすることで、拡張マレイミドを基盤とした新規機能性π共役化合物を創造することを目的としている。2023年度はチオフェン環とピリジン環によって構築される拡張マレイミドの合成とその光物性を明らかとすることを目指し、研究を展開した。チオフェン環の持つ反応性は構築した拡張マレイミドに種々のアリール基や官能基等の導入を容易とし、拡張マレイミドの電子状態の調整を可能とする。また、ピリジン環は塩基性窒素を持つことから、プロトンやルイス酸への応答性を拡張マレイミドに付与することができ、さらなる機能拡張に寄与する。まず、チオフェン環とピリジン環からなる拡張マレイミドを縮合反応と光反応によって合成することに成功した。そしてアルコキシフェニル基やジメチルアミノフェニル基をチオフェン上に鈴木カップリングによって導入した。これによって得られた化合物は溶媒によって蛍光波長が変わる蛍光ソルバトクロミズム特性を示した。さらに、トリフルオロ酢酸といったプロトン源を得られた化合物のジクロロメタン溶液に滴下すると、吸収スペクトルの波形が変化し、プロトン応答性を示すことを明らかとした。この成果を発展させ、さらにπ電子系を拡張させた拡張マレイミドの合成に取り掛かっており、縮合反応による基本骨格の形成まで成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縮合反応と光反応によって構築される拡張マレイミドのさらなる機能拡大を可能とするため、チオフェン環とピリジン環による拡張マレイミドの合成に成功するとともに、チオフェン環状に種々のアリール基をカップリング反応によって導入することができた。さらに、ピリジン環の塩基性を利用したプロトン応答性も観測することができた。この成果によって、チオフェン環とピリジン環を利用した拡張マレイミドの有用性が明らかとなり、大きな計画変更を必要とせずに、これを基盤とした新たな分子構築の検討を行うことができる。これらの理由より、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方針として、種々の方法を用いて、チオフェン環とピリジン環からなる拡張マレイミドのπ電子系の拡張を目指して研究を展開する。本研究での拡張マレイミド骨格を構築する鍵となる合成のひとつである縮合反応を行うための化合物群が必要である。その縮合反応に必要な化合物群を系統的に合成する手法を最適化することができたならば、より多彩な拡張マレイミドを創造することが可能となる。そこで、縮合反応に利用可能な化合物群を効率的に合成可能な合成手法の確立と縮合反応の最適化、そして続く光反応の汎用的な合成条件の最適化を行う。これを達成することができたならば、よりπ電子系を拡張させた拡張マレイミドの創造を可能とすると期待できる。
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