研究課題/領域番号 |
23K04724
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
津田 進 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50581021)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ロタキサン / シクロデキストリン / 刺激応答性材料 / [c2]daisy chain |
研究開始時の研究の概要 |
インターロック化合物の1つである[c2]daisy chainロタキサンは,環構造と軸構造をあわせ持つユニット2つが互いに差し違えた構造を有する.本研究では,この[c2]daisy chainロタキサンの構造的特徴でもある分子長軸方向に対して大きく伸縮するという分子レベルでの挙動を利用し,ロタキサンの軸構造に蛍光プローブを導入して蛍光プローブ間の近接距離の変化に起因する光学特性の変化を捉えることによって、[c2]daisy chainロタキサンユニットに加わる外力を光学的信号に変換する新しいシステムを創成する.
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研究実績の概要 |
本研究は,環構造(シクロデキストリン)と軸構造(π共役分子)をあわせ持つユニット2つが互いに差し違えた構造を有する[c2]daisy chainロタキサンの構造的特徴を利用し,このロタキサンに加わる外力を光学的信号に変換できる新しいシステムを創成することを目的している.本課題の1年目となる令和5年度は,上述のシステム構築に向けて,システムのコア部位となる[c2]daisy chainロタキサンの分子設計およびその合成を検討した.既報の分子設計の指針に沿って,環構造として完全メチル化α-シクロデキストリン(PM α-CD),軸構造となるπ共役分子としてジアリールアセチレン誘導体をそれぞれ適用し,キャッピング反応にはアニリン誘導体および水溶性カルボジイミドを用いた縮合反応によって,[c2]daisy chainロタキサンを得ることとした.この際に新しい試みとして,このロタキサンに対してさらに重合反応点を導入することが可能であることを確かめるために,π共役分子の主骨格にメトキシ基,シアノ基,ニトロ基などの置換基を適切な位置に配置して[c2]daisy chainロタキサンの合成を試みた.既報の[c2]daisy chainロタキサンの合成手法に基づき,反応溶媒である水・メタノールの混合溶媒比を新たに検討した.水・メタノールの混合溶媒比を,従来の1対3から3対1へと変更することによって,錯化種が容易に形成され,置換基が導入されたπ共役分子の主骨格を用いても,同様に[c2]daisy chainロタキサンが良好な収率で得られることが確かめられた.各種NMR測定,質量分析によってロタキサンの合成・単離を十分に確認し,吸収および蛍光スペクトル測定によって物性評価を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の申請内容どおりロタキサン合成の検討に着手し,研究実績の概要に述べた通り,既報の[c2]daisy chainロタキサンの合成法を改良することによって,[c2]daisy chainロタキサンに対して重合反応点の導入が可能であることが確かめられた.
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今後の研究の推進方策 |
本課題の2年目となる令和6年度は,より簡便に重合反応点を導入することを目的として,引き続き[c2]daisy chainロタキサンの分子設計の改良とその合成検討を行う.
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