研究課題/領域番号 |
23K04744
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡本 和紘 北海道大学, 理学研究院, 特任講師 (30552658)
|
研究分担者 |
永木 愛一郎 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80452275)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | carbenoid / homologation / sequential synthesis |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではマイクロリアクターを用いる高速反応制御を鍵として, C1カルベノイド種の反応制御に取り組む.特に,フラスコ化学で最もよく用いられる有機リチウムの化学を脱却し,ナトリウム・カリウムを基盤とする超高活性有機金属化学種の精密反応制御に挑戦する.最終的に,これらの活性種を上述の連続的多段階ホモロゲーションプロセスへと適用し,高度制御された C1化学による新たな精密合成手法の構築を実現する.
|
研究実績の概要 |
本研究では入手容易なC1原料であるマルチハロメタン類(CHnX4-n)を原料として,一般に選択的反応に用いることが難しい有機ナトリウム・カリウム試薬から発生する金属カルベノイド種を「超高活性有機金属化学種」と位置づけ,最終的に「逐次的反応による多段階結合形成」を可能にする方法論の確立を目指して研究を行った.そのような目標の実現に向けた第一歩として,最も単純な反応である活性種の重水素化クエンチを含む,C1カルベノイド種の選択的同位体標識にまず取り組むことで,このような活性種の制御の実証研究とした.ひとたびこの反応制御を実現できれば,ボロン酸エステルを求電子剤とするマルチホモロゲーションプロセスへの展開は容易になるため,研究期間内で多段階炭素鎖形成を達成可能となる.ホウ素をプラットフォームとする新たなC1カルベノイド化学の可能性を模索し、ジハロメタンのようなC1炭素源を有機リチウム化合物と反応させることで発生する活性中間体を経由する反応の最適化を行った。この可能性を最大限効率化するため、フローデバイス制御下での精密な温度-滞留時間マッピング手法を用いて活性種の安定性と反応性を同時に可視化することに成功した。本反応は活性種の発生と分解がわずかな時間で拮抗するため、分解の抑制(マップ赤色)と高反応収率(マップ青色)を同時に達成することは極めて限られた温度と時間の範囲でしか実現できない。フローデバイスではこれらの困難を克服し、バッチでは達成不可能な活性種を後続の求電子剤との反応へと適用することが可能になった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の計画を概ね完了したため。
|
今後の研究の推進方策 |
シーケンス型フロー反応装置を利用して,ボロン酸エステルを開始剤とする逐次的増炭反応(ホモロゲーション)により,数炭素分を一度に増炭したマルチハロゲン化アルキルボロン酸エステルのシーケンス合成に取り組む.ポリマーの副生を逆手にとって,上述の副生成物となるボロン酸エステルのポリホモロゲーションを進行させ,反応条件の時空間制御を用いて分子量分布の制御に取り組む.これにより,ハロゲン含有ポリマー合成する新しいリビングポリホモロゲーションプロセスを実現する.
|