配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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研究実績の概要 |
これまで我々は、二座リン配位子 (L)を有する二核、三核イリジウムヒドリド錯体の系統的な合成法を開発し、光を用いた反応開発に取り組んできた。二座配位子Lを、BINAP配位子のように嵩高いものを選択することにより、選択的に二核イリジウムペンタヒドリド錯体 [(L)IrH5Ir(L)]+ が生成することも見出している。即ちL として不斉配位子を導入することが可能であり、R/S-BINAP をはじめ、SEGPHOSなど様々な不斉リン配位子を導入することも可能である。これらの錯体合成において、不斉配位子(L*) を有する前駆体 [(L*)Ir(cod)]+ (cod = 1,5-cyclooctadiene) を選択することにより、(R,R)-, (S,S)- などの組み合わせを有する二核錯体[(L*)IrH5Ir(L*)]+を高収率で合成できる。また、合成条件を工夫することにより、(R, S)- の組み合わせを有する二核錯体の作り分けと単離に成功した。これらの錯体はいずれも高い反応性を有することから、三次元的な不斉反応場を提供しうる化合物である。2023年度において、このような一連の化合物の合成に成功し、不斉光源であるCPL光を照射することに伴う、重水素化反応性を検討した。(R,R), (S,S), (R,S) の異なるキラリティーを有する錯体に対し、右偏光のCPL, 左偏光のCPLを照査することによる反応性の差異を調査した結果、左偏光のCPL光を照射したほうが重水素化体の生成比が高いことが分かった。バッチ間の差異や、フィルターの誤差等注意深く精査することによって再現を確かめる必要がある。
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