研究課題
基盤研究(C)
本研究では、キノリン化合物の特性を最大限に活用し、Cd2+に対する親和性と蛍光応答特異性を精密に制御することにより、実用化可能なセンサー分子を開発する。Cdの毒性は、酸化的ストレスの他、生体必須元素であるZnがCdに置き換わることで引き起こされる。そこで応募者は、タンパク質などの生体分子のイオン認識能力を超える識別能力を、精密設計された合成分子で実現することを計画した。金属イオンの精密識別はNa+/K+イオンチャネルなどの生体系でも行われており、また、金属イオン分離技術は海水からのウラン濃縮や放射性物質による汚染水処理技術など、幅広い用途への応用が期待される。