研究課題/領域番号 |
23K04813
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
矢野 和義 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (40262109)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | プラズマ重合法 / 蛍光増強 / ナノ積層構造 / 腫瘍マーカー / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、蛍光増強のためのナノ積層構造をガラス基板やマイクロプレートに構築し、その上で抗体などの分子認識素子を用いた高感度バイオセンシングの実現を目指す。まず金属薄膜と光透過膜を、それぞれスパッタリング法及びプラズマ重合法で順次積層する。次にプラズマ重合膜に表出するアミノ基などの官能基を利用して、分子認識素子を共有結合で強固に固定化する。それによって得られた分子認識膜を用いて、蛍光強度を指標とした腫瘍マーカーの高感度検出を試みる。
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研究実績の概要 |
初年度は、ナノ積層基板の構築の検証と、底無し96 穴マイクロプレートを用いたアプタマーサンドイッチアッセイの高感度化を試みた。 まずアセトニトリルをモノマーとして作製したプラズマ重合膜上に、一次アプタマーの固定化に必要なアミノ基が実際に存在しているかを評価した。小さくカットしたガラス片上にさまざまな時間でプラズマ重合膜を製膜し、ニンヒドリン反応により基板上のアミノ基を定量したところ、重合時間に応じてアミノ基の生成に由来する570 nmの吸光度が上昇したことから、アミノ基の生成が確認された。これにより、一次アプタマーを固定化できるナノ積層基板の構築が可能であることが確認された。 この結果を踏まえ、次にナノ積層マイクロプレートにおいてトロンビンをターゲットとしたアプタマーサンドイッチアッセイを試みた。まずスライドガラス上に最適な条件で作製したナノ積層基板を底無し96 穴マイクロプレートの裏面に貼り付けることで、ナノ積層マイクロプレートを作製した。次に、架橋剤であるN-(6-マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミド(Sulfo-EMCS)と結合させたチオール標識一次アプタマーをナノ積層マイクロプレートのウェルに加え、プラズマ重合膜上のアミノ基を介して固定化した。続けて、あらかじめトロンビンと反応させたCy5標識二次アプタマーを加え、洗浄したのちに、二次元蛍光像を測定した。その結果、トロンビンを用いたナノ積層構造のウェルで最も強い蛍光が検出され、その程度はアセトニトリル膜のみのウェルと比較して約20倍であった。また、コントロールとしてキモトリプシンを用いたウェルと比較しても顕著な差があったため、トロンビンに対する特異性も示唆された。以上より、ナノ積層マイクロプレートにより、特異的かつ顕著な蛍光増強現象を確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
顕著な蛍光増強効果が得られたことから、高感度なアプタマーサンドイッチアッセイを達成した。特に、今回初めて底無し96穴マイクロプレートを用いることで、反応表面積を一定とし、より再現性の高いアッセイが可能になった。また、これまでプラズマ重合膜の物性評価はフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)によるドライな表面分析でしか行っていなかったが、今回ニンヒドリン反応を利用したウェットな吸光度法を用いることでも、固定化に必要なアミノ基の生成を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
分子認識素子をアプタマーから抗体に替え、イムノサンドイッチアッセイを行い、同様の蛍光増強効果が得られるか検証する。さらに近年腫瘍マーカーとして注目されているマイクロRNA(miRNA)の高感度検出のための条件検討にも着手する。具体的には、プローブDNAを固定化したナノ積層マイクロプレートにおいて、蛍光標識ターゲットDNAとのハイブリダイゼーションに由来する蛍光シグナルを高感度に検出するための条件検討を始める。
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