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固相抽出法に革新をもたらす粒子接合技術の確立とその応用展開

研究課題

研究課題/領域番号 23K04814
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分34020:分析化学関連
研究機関愛知工業大学

研究代表者

村上 博哉  愛知工業大学, 工学部, 准教授 (40515128)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード固相抽出 / 吸着媒体 / 粒子 / 接合 / 粒子状固相抽出剤
研究開始時の研究の概要

前処理は、様々な化合物の定量分析において必要不可欠なものである。その前処理技術として、固相抽出法が汎用的に利用されている。一般的に固相抽出法は、粒子状の固相抽出剤が充填された筐体へ試料溶液を通液することで、夾雑成分の除去と共に選択的な目的化合物の濃縮を達成するのが一般的である。一方、粒子状固相抽出剤を筐体に充填する工程は、静電気などの影響により煩雑な作業となり、さらに緻密な充填を達成するには技術が必要である。そのため、取り扱いが容易な固相抽出剤の開発が望まれている。
本研究では、申請者が開発した粒子状固相抽出剤の接合技術を利用し、様々な固相抽出法に対応可能な吸着媒体の作製技術を確立する。

研究実績の概要

試料前処理は,種々の化合物を定量分析するうえで必要不可欠な工程である。その試料前処理法として,固相抽出法が汎用的に利用されている。この固相抽出法では,粒子状の固相抽出剤を利用して前処理が行われるのが一般的である。本研究課題では,当研究室で開発した粒子状固相抽出剤同士を接合する技術を活用し,様々な固相抽出法の確立を目指し,研究を進めている。
令和五年度に進めた研究の一つとして,これまでに当研究室で開発した,化学反応型の接合技術により粒子状固相抽出剤を成形した吸着媒体について,そのアプリケーションとしての適用性の検証を行なった。その対象としてフェノールを選択し,開発した吸着媒体での固相抽出による定量分析手法の確立を進めた。なお,簡便な定量法の確立も目指し, 4-アミノアンチピリン法によるシーケンシャルインジェクション分析 (SIA) を適用した。接合する粒子状固相抽出剤としては,逆相系の固相抽出剤を用いた。固相抽出法の最適化により,フェノールの抽出を可能な条件を見出した。さらに本固相抽出後の試料の4-アミノアンチピリン法を用いたSIAでの定量するための条件についても最適化も行うことにより,フェノールの定量が可能であることも明らかとなった。
さらにそれ以外に進めた研究としては,粒子状固相抽出剤の接合技術を利用し,キレート樹脂やその他の分離モードを有する粒子状固相抽出剤の接合技術についても研究を進め,一定の成果を得ている。さらに上述のフェノールの前処理では,シリンジバレル型への適用のために円柱型の吸着媒体を適用していたが,そのほかの形状についても検討を進めて,こちらも成形が可能である条件を見出している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和五年度は,当研究室で開発した粒子状固相抽出剤を利用した吸着媒体の実試料分析への適用性の検討を行うために,フェノールの定量への適用が可能か検討を進めた。その結果,開発した吸着媒体が固相抽出法として適用が可能であることを示唆する結果を得ている。さらに本粒子接合技術を用いて,円柱状以外の成形された吸着媒体の形状として,膜やその他の形状を有する吸着媒体の合成が可能であることを見出している。これらの技術を基盤として,次年度以降もこれらについてさらに研究を遂行する予定である。
以上のような状況であるため,全体としては本研究課題の進捗状況は,おおむね順調に進んでいると判断される。

今後の研究の推進方策

令和五年度の研究には,合成した吸着媒体のアプリケーション展開および吸着媒体の形状などについて検討を進めており,一定の成果を得ている。今後の研究の推進方策としては,次年度については特に以下の二点について検討を進める予定である。
1) アプリケーション展開については,様々な分離機構を有する粒子状固相抽出剤を合成し,それら各樹脂を接合可能な条件を見出すことにより,種々の化合物への適用な可能な吸着媒体の開発に関する検討を進める。
2) 令和五年度の基礎検討により得られた様々な形状を有する吸着媒体について,その物性評価および捕捉能について精査を進めることにより,アプリケーションとして利用可能な固相抽出剤として,最適化を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Colorimetric and fluorometric determination of uric acid by a suspension-based assay using enzyme-immobilized micro-sized particles2023

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Moriiwa , Keigo Hatakeyama , Kazuhiro Morioka , Yoshinori Inoue , Hiroya Murakami , Norio Teshima , Akio Yanagida , Atsushi Shoji
    • 雑誌名

      Analytical sciences

      巻: 40 号: 5 ページ: 951-958

    • DOI

      10.1007/s44211-024-00556-0

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 水溶性化合物のための保水型固相抽出剤の開発2024

    • 著者名/発表者名
      村上博哉, 井上嘉則, 手嶋紀雄
    • 学会等名
      令和5年度分析イノベーション交流会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Development of HILIC-Type Solid-Phase Extractants Modified With Zwitterionic Copolymer and Their Extraction Characteristics for Polar Compounds2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Oda, Hiroya Murakami, Yoshinori Inoue, Norio Teshima
    • 学会等名
      The 22nd International Conference on Flow Injection Analysis and Related Techniques
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] HILIC型固相抽出剤のDNA付加体定量分析への適用性に関する基礎検討2023

    • 著者名/発表者名
      酒井息吹, 小田勇輝, 江坂幸宏, 村上博哉, 井上嘉則, 手嶋紀雄
    • 学会等名
      分析中部・ゆめ21」若手交流会第22回高山フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 相系固相抽出媒体の合成とフェノール類のSIAへの応用2023

    • 著者名/発表者名
      近藤健太, 村上博哉, 井上嘉則, 手嶋紀雄
    • 学会等名
      第59回フローインジェクション分析講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 水溶性成分の抽出を可能にする親水性高分子被覆型固相抽出剤の開発2023

    • 著者名/発表者名
      村上博哉, 井上嘉則, 手嶋紀雄
    • 学会等名
      第43回キャピラリー電気泳動シンポジウム(SCE2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] DNA付加体分析における親水性高分子を被覆したHILIC型固相抽出剤の適用性評価2023

    • 著者名/発表者名
      小田勇輝, 杉山倫明, 江坂幸宏, 井上嘉則, 村上博哉,手嶋紀雄
    • 学会等名
      第43回キャピラリー電気泳動シンポジウム(SCE2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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