研究課題/領域番号 |
23K04820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
山田 和志 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 准教授 (30397608)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 紫外線劣化 / 熱酸化劣化 / 蛍光スペクトル / In-situ測定 / 耐久性 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子材料の劣化は表面から起こるため、劣化初期の表面化学構造変化を捉えることにより短期間で劣化評価が可能となる。本研究では、3次元蛍光分光法を用い、高分子材料の初期の劣化過程を顕在化する。高分子材料に対して高温加速劣化による表面酸化劣化および内部構造変化における蛍光スペクトルへの影響の検討、紫外線照射による高分子材料表面の光酸化劣化が蛍光スペクトルおよび各物性に与える影響の検討、加熱/紫外線照射In-situ蛍光スペクトル測定による劣化過程の計測および分析評価を行い、バイオベース材料の劣化初期のスペクトル変化と構造変化および物性への影響について明らかにする。
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研究実績の概要 |
高分子材料は安価で成形性に優れ、軽量であることから、金属や木材の代替材料として長く使われている。高分子材料は、光や熱、水など環境の作用を受けると劣化し易い。劣化は高分子材料の表面から起こるため、劣化初期の表面化学構造変化を捉えることにより短期間で劣化評価が可能となる。そこで、主として3次元蛍光分光法を用い、高分子材料の初期の劣化過程を顕在化する。研究対象は環境負荷の低いバイオベース高分子材料およびその複合材料とする。これら高分子材料に対して「①高温加速劣化による表面酸化劣化および内部構造変化における蛍光スペクトルへの影響の検討」、「②紫外線照射による高分子材料表面の光酸化劣化が蛍光スペクトルおよび各物性に与える影響の検討、「③加熱/紫外線照射In-situ(リアルタイム)蛍光スペクトル測定による劣化過程の計測および分析評価」を行い、3次元蛍光分光測定を用いてバイオベース材料の劣化初期のスペクトル変化と構造変化および物性への影響について明らかにする。 本研究ではバイオベース材料およびバイオベース複合材料を高温環境下に放置し、成形品を高温加速劣化させる。放置時間に伴う成形品表面から内部までの化学構造変化を分光法、熱測定、機械特性、顕微鏡観察などを用いて経時的に測定解析し、高温加速劣化による表面酸化劣化および内部構造変化における蛍光スペクトルへの影響について明らかにすることを目的としている。初年度はいくつかの天然高分子材料および複合材料に対して劣化試験を行い、物性への影響を評価した。さらに蛍光分光光度計に対して自作の加熱ステージを設置し、安定的に測定できるよう改良等施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、紫外線劣化装置(UV-A、UV-B、UV-C)の作製、蛍光分光光度計への加熱ステージの設置など加速劣化試験を再現性良く実施していくための実験装置改良を行うことができた。またそれらの装置を使って劣化試験の試行も行い、データ収集できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はより定量的に蛍光スペクトルをIn-situ測定できるように加熱温度やサンプルサイズ、試料の形状などの測定条件の選定を行っていく予定である。また、今回、ある複合材料の組み合わせによっては、劣化時に発光された光(波長)をマトリックス中の別の成分が吸収することによって発光が観察されないケースがあることも新たにわかったため、複合材料の組み合わせについても1つずつ確認しながら研究を遂行していく予定である。
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