研究課題/領域番号 |
23K04823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
横田 幸恵 上智大学, 理工学部, 助教 (70590678)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 光触媒 / プラズモニクス / 貴金属ナノ粒子 / プラズモン |
研究開始時の研究の概要 |
金や銀などの貴金属ナノ構造に光を照射すると、ナノ構造表面近傍にプラズモン共鳴による光電場増強場を誘起することから、局所空間での新規光反応場として注目されている。本研究では、貴金属ナノ構造の結晶面、形状やサイズを精密に制御して高効率な反応場を構築し、可視から近赤外領域の微弱光で促進する新規プラズモニック光触媒を開発する。化学合成により安価かつ簡便に貴金属ナノ粒子の作製が可能であり、従来よりも小さな空間で光化学反応を実施できるだけでなく、回収可能な貴金属であるため環境に配慮した新規の光触媒を目指す。
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研究実績の概要 |
金や銀などの貴金属ナノ構造に光を照射すると、ナノ構造表面近傍にプラズモン共鳴による光電場増強場を誘起することから、局所空間での新規光反応場として注目されている。本研究では、貴金属ナノ構造の結晶面、形状やサイズを精密に制御して高効率な反応場を構築し、可視から近赤外領域の微弱光で促進する新規プラズモニック光触媒を開発する。 2023年度は、可視から近赤外領域の微弱光を効率的に利用できる貴金属ナノ粒子合成を主に実験を実施した。PdやAuの形状の異なる単一金属ナノ粒子や多元素金属ナノ粒子などさまざまな金属ナノ粒子合成をおこなった。合成した粒子は形状やサイズを制御することで可視から近赤外に局在型の表面プラズモン共鳴を誘起することを明らかにした。 これまでに合成したPdの厚みの薄いナノ粒子を触媒として用いて可視光や近赤外光照射下で種々の条件で還元反応や鈴木・宮浦カップリング反応をおこなった。還元反応では吸光度測定から、鈴木・宮浦カップリング反応ではガスクロマトグラフィーとNMRにより、どの反応でも暗所下よりも光照射下で反応が促進することを明らかにした。さらに、合成したPtまた、Pt前駆体を用いたナノ粒子合成もおこなった。形状を制御することでPtナノ粒子は市販のデスクランプ白色LEDを照射し、数時間で蛍光色素の褪色が進行した。 構築した顕微ラマンシステムを用いて次年度以降、合成した種々の貴金属ナノ粒子を触媒として用いて光化学反応を顕微ラマン分光により追跡する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初はPdとAuの二元金属ナノ粒子を用いた系で研究を進めていく予定であったが、複数金属を用いたナノ粒子の合成に成功したため、種々の合成方法の確立を主におこなった。さらに、Ptナノ粒子では微弱な光源を用いても簡便に蛍光色素の褪色を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに合成した種々の金属ナノ粒子を触媒として用いて光化学反応を顕微ラマン分光により追跡する。Pdの厚みの薄いナノ粒子以外の合成した金属ナノ粒子を同様に触媒として用い、鈴木・宮浦カップリング反応や微弱光照射下での還元反応など触媒活性評価を実施する。
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