研究課題
基盤研究(C)
カイコが生産するシルク繊維はシルクフィブロイン(SF)からなり、機械的特性・生体適合性に優れ、医用材料や生分解性材料として期待が高い。申請者は、環境に優しいシルク材料の開発を目指し、有機溶媒ではなく水を溶媒とする再生SF水溶液を用いたシルク材料開発に取り組んできたが、成形体の強度が低いという課題がある。この課題を克服するため、本研究では水溶液中のSF分子の高次構造に着目する。シルク繊維の原料である天然SF水溶液の高次構造を模倣した再生SF水溶液を作製し、シルク材料の高強度化を目指す。本研究の達成により、シルク繊維がもつ高い機械的特性と環境調和性を最大限に生かしたシルク材料開発の展望が開ける。