研究課題/領域番号 |
23K04869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
西井 圭 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (00552928)
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研究分担者 |
加藤 岳仁 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90590125)
植田 泰之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 博士研究員 (90879727)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ペンタジエン / イソタクチック構造 / トランス-1,4-構造 / 希土類錯体 / 熱可塑性エラストマー / 自己修復 / 立体選択性 / ポリペンタジエン / 希土類触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
最近では破損部位を熱などの外部刺激で自動的に修復する「自己修復性ポリマー」が,材料の長寿命化,環境負荷低減,省資源の観点から注目され,様々な分野で応用が期待されている.最新のオレフィン系自己修復性ポリマーは,精密三元共重合で合成され迅速な自己修復性能を示した.しかし,その合成には3種類のモノマーと精密なモノマー組成比コントロール,あるいは低温での重合が必要であった.そこで本研究では,モノマー1種類と室温で進行する重合の立体選択性コントロールを活用し,「自己修復型熱可塑性エラストマー」の合成と物性評価を行い,革新的材料を創製する.
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研究実績の概要 |
有機金属触媒を用いた高活性,高立体特異的(cis-1,4- / trans-1,4- / 3,4- / 1,2-)ブタジエンあるいはイソプレン重合に関する報告例は多い.しかし,(E)-1,3-ペンタジエンのイソタクチック-トランス-1,4-特異的重合の報告例は少なく,新規触媒系の開発が必要である.最近ハーフサンドイッチ型希土類錯体触媒系が様々なアルケン類,ジアルケン類の重合反応に高活性,高立体特異性を示すことが知られている.そこで,本研究ではシクロペンタジエニル配位子誘導体を有するガドリニウム錯体をトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートで活性化させて,トルエン中,25 °Cで(E)-1,3-ペンタジエン重合を行った.その結果,本錯体触媒系で得られたポリペンタジエンは比較的高分子量(Mn = 199 800)であった.とくに,ポリマーのイソタクチック(isotactic)構造選択率(mm)を示す値はmm > 95%およびトランス-1,4-構造選択率(trans-1,4)を示す値は trans-1,4 = 98%を有するisotactic-trans-1,4-ポリペンタジエンが合成できた.さらに,混合溶媒中(トルエン + 極性溶媒)で上記と同様の重合を行ったところ,Mn = 129 700,mm = 83%,trans-1,4 = 92%のポリマーが得られた.本ポリマーは引張強度(> 9.0 MPa),伸び率(> 2900%)ともに優れた材料であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の進捗状況において上記区分を選択した理由を示す.申請時に計画していた「高い伸び率および引張強度を有する熱可塑性エラストマーの合成」に関しておおむね目標を達成できたと考えている.さらに「ポリマーの物性評価」について,目標値は未達成であるが,改善する方向性を確認できた.
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今後の研究の推進方策 |
前年度、すでに混合溶媒中で「高性能熱可塑性エラストマーの合成」について知見が得られた.よって,今年度は極性溶媒量を調節し「迅速な自己接着あるいは自己修復性」が発現する合成条件を見出すことに挑戦する.
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