研究課題
基盤研究(C)
カルコゲナイドは,現代のハイテク産業に欠かせない稀有な特性をもつ重要な天然鉱物資源の一つである。申請者は近年,新鉱物日立鉱 [Pb5Bi2Te2S6] を発見し,関連するテトラディマイト型構造をもつカルコゲナイドとの構造的な関係を新たに示した。しかし,提案した構造的関係には対論があり,この一連の鉱物グループにおける構造多様性を制約する規則は何か?について議論が続いている。本研究では,放射光単結晶X線異常散乱法によって,構造中のPbとBiの占有様式を明らかにすることで,PbS-Bi2Te2S線上に存在する一連の鉱物の構造多様性がどのような制約の中で生じるのか?という問いに対する解を探求する。