研究課題/領域番号 |
23K04894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
朝倉 裕介 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00762006)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 中空粒子 / 水酸化物 / フッ化物 / 中空ナノ粒子 / 自己犠牲鋳型 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、遷移金属フッ化物を“水溶性自己犠牲鋳型”として利用することにより、従来の合成法では不可能であった制御レベルで遷移金属水酸化物中空ナノ粒子を合成する。遷移金属フッ化物が常温の水に容易に溶解可能であることから、中空構造の鋳型かつ遷移金属イオン源となるため、“水溶性自己犠牲鋳型”として用いることが可能となる。フッ化物表面の水酸化物化条件を検討することで、様々な組成・中空粒子の粒子径や壁厚を制御する遷移金属水酸化物中空ナノ粒子のテーラーメイド合成を実現する。
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研究実績の概要 |
2023年度は,本研究でのフッ化物を水溶性自己犠牲鋳型する中空水酸化物粒子合成概念の実証のために,(1)単一の遷移金属を有するフッ化物からの中空粒子の合成を行い,また,次年度以降に複数の金属を有する水酸化物での中空粒子を合成するために,(2)複数の金属を有するフッ化物の合成の2つの方針で研究を行った。下記にそれぞれの実績概要を示す。 (1)単一の遷移金属を有するフッ化物(遷移金属はCo, Ni,Fe)を有機溶媒中に分散させ,アルカリ金属水酸化物水溶液を添加して反応させた。得られた試料のTEM像を観察すると,粒子表面に別の物質が存在するコアシェル型の構造となっていることが分かった。さらに,未反応のフッ化物を除去するために,反応後の物質を水で処理した。得られた試料のTEM像では,中空粒子となっていることが分かり,本研究の合成概念が実証された。Ni, Co, Feの順でフッ化物粒子の大きさが大きくなっており,それと同様に中空水酸化物粒子の大きさもその順となっている。Feの時には,フッ化物自身の大きさが大きく,数百nmの大きさになっており,粒子の大きさの制御が求められる。 (2)複数の金属を有するフッ化物は,ソルボサーマル合成でフッ化物粒子を合成する際に導入する遷移金属種を単純に増やすことによって達成することができた。粒子の大きさは,単一の遷移金属合成した際の間のサイズを有していた。STEMマッピングで元素の分布をみると均一になっており,複数の遷移金属を有する中空水酸化物粒子を合成するために理想的なフッ化物を合成できたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,本研究の合成概念であるフッ化物の水溶性自己犠牲鋳型として用いた中空水酸化物粒子の合成に成功しており,また複数の遷移金属種を有するフッ化物の合成にも成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに,本研究の合成概念を実証した。得られた一種の遷移金属を含む中空水酸化物粒子の電気化学触媒能を測定し,中空構造による活性への効果を調査する。また,数種の遷移金属が含まれたフッ化物の合成に成功しているので,それらを中空水酸化物化する。
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