研究課題/領域番号 |
23K04901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
山本 真理 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究室長 (20416332)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 全固体電池 / 黒リン / 負極複合体 / 多孔質 / ナトリウムイオン電池 / 負極 |
研究開始時の研究の概要 |
安全性・長寿命等の優れた特性をもつ硫化物系全固体電池は電気自動車用大型蓄電池の最有力候補である。この需要拡大を見据えレアメタルのLiを資源量の豊富なNaに代替した全固体ナトリウムイオン電池(全固体SIB)の研究も開始された。SIBの課題であるエネルギー密度向上のため、高容量負極である黒リン(BP)の利用が望まれるが、充放電に伴う体積変化に起因したサイクル劣化など課題が多い。本研究では全固体SIBに適したBP負極複合体の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
安全性・長寿命等の優れた特性をもつ硫化物系全固体電池は電気自動車用大型蓄電池の最有力候補である。この需要拡大を見据えレアメタルのLiを資源量の豊富なNaに代替した全固体ナトリウムイオン電池(全固体SIB)の研究も開始された。SIBの課題であるエネルギー密度向上のため、高容量負極である黒リン(BP)の利用が望まれるが、充放電に伴う体積変化に起因したサイクル劣化など課題が多い。本研究では全固体SIBに適したBP負極複合体の構築を目指す。 全固体ナトリウムイオン電池で黒リンを評価するための基盤を整えるため、固体電解質の選定、対極の選定、負極複合化方法の検討を行った。具体的には、既報に従いナトリウムイオン伝導性固体電解質としてNa3PS4ガラスセラミックスの合成を行った。Na2SとP2S5をボールミル(510 rpm, 20 h)にてメカニカルミリングを行うことによりNa3PS4ガラスを作製し、270℃で加熱することによりガラスセラミックス化した。交流インピーダンス測定より30℃でのイオン伝導度は~10-4 S cm-1であった。また、対極は、Na3PS4にNa金属を張り付けると固体電解質の還元分解が懸念されたため、NaSb合金(0.5-1 V vs. Na+/Na)を選定した。また、既報に従いメカノケミカル法により赤リンから黒リンを合成した。負極複合体は黒リン、Na3PS4、及びABを乳鉢による手混合を行い作製した。セル作製はNa3PS4粉末(80 mg)を筒に入れて37 MPaでプレスして固体電解質層を形成後に、負極複合体(10 mg)を片面側に入れて、反対側にNaSb合金(10 mg)を入れて333 MPaで5分間プレスし構築した。交流インピーダンス測定、サイクリックボルタンメトリー、充放電測定による電気化学的評価を行い、測定条件の選定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全固体ナトリウムイオン電池の作製についての経験がなかったことから、文献調査や材料選定・入手を行い、既報に従って材料合成やセル構築・評価方法の検討を行い、今後の基盤をつくったため。
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今後の研究の推進方策 |
ナトリウムイオン伝導性固体電解質として、Na3BS3がNa3PS4と比べてNa金属に対し安定な界面相を形成することが報告された。そこで、固体電解質層の負極側、および負極複合体にはNa3BS3を使用することにする。Na3BS3、BP、ABを乳鉢による手混合やボールミル混合により負極複合体を作製し、評価可能であるかを調査する。また、黒リンの多孔質化方法や固体電解質の還元を抑制する表面被覆を検討する。
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