研究課題/領域番号 |
23K04912
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清野 智史 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90432517)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 金属酸化物 / 放射線 / 触媒 / 燃料電池 |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンニュートラルの実現に向けて、固体高分子型燃料電池に寄せられる期待は大きい。さらなる普及には、触媒の非白金化が必須である。本研究では、比較的安価な金属の酸化物を主成分とする「金属酸化物触媒」の合成技術について研究を行う。金属酸化物触媒を高性能化するためには、その微細構造の適切な制御が必要となる。これを実現するために、申請者の同時技術である放射線を利用したナノ粒子合成法と、適切な熱処理条件とを組み合わせた触媒調整法について研究を行う。複数金属種が混合した金属酸化物ナノ粒子について、粒子径や組成等の微細構造を系統的に制御する調整技術を確立し、金属酸化物触媒の高性能化を実現する。
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研究実績の概要 |
固体高分子型燃料電池(PEFC)は家庭用や自動車用で社会実装はされているものの、さらなる普及には低コスト化が必須である。そのためには、律速段階であるカソード極での酸素還元反応(ORR)用の白金触媒使用量の削減が重要となる。白金代替触媒の有力な候補として、Ti、Zr、Nbなど第4・5族元素を主成分とする金属酸化物系触媒が注目されている。本研究では、申請者の独自技術である放射線法により効果的なナノ粒子化を行い、これを前駆体として雰囲気管理熱処理により酸化・窒化処理を行うことで効果的な活性点導入と導電パス確保を狙う。シュウ酸を配位子とするNb原料に放射線照射することで、カーボン担体表面にNb酸化物ナノ粒子が高分散担持した試料を得た。さらに高分子を添加したものを前駆体とし、アンモニア雰囲気中で熱処理を行うことで、Nbへの窒素ドープとカーボン導電パスが両立できることを確認した。熱処理条件と触媒構造との間には複数のトレードオフ関係があること、また特定の条件下で高い触媒性能が得られることを見出した。触媒性能の向上のキーポイントとして、活性点となる酸化物ナノ粒子の粒子径よりも、電子伝導パスとなる析出カーボンの量・存在位置・化学状態を制御することが重要との知見が得られた。ポリアクリル酸およびポリビニルピロリドンを配位子としたNb錯体を調製し、これを重照射することで、微細なNbナノ粒子が生成することを見出した。また配位子由来のカーボン残渣が同時析出することも確認された。効果的な活性点形成と導電パス形成を両立できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進行している。2023年度の検討において、高分子を配位子とする錯体の調整法、放射線の照射条件、活性点導入のための熱処理雰囲気についての知見を概ね揃えることができた。複数種類の金属元素を同時に適用するための準備が概ね整っており、次年度以降の研究をスムーズに実行できる状態にある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の検討において、酸化物ナノ粒子触媒の粒子径の微細化が必ずしも高活性化に繋がらないという知見が得られた。触媒材料の微細構造としてより詳細に制御すべきは、導電パスとして機能するカーボン残渣と酸化物ナノ粒子触媒との位置関係や析出量、化学状態であることを示唆する結果が得られている。それらを好適に制御しうる合成条件の探索を進め、微細構造と活性との相関についての新たな知見を見出したい。
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