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愛媛県沿岸の海洋生物を中心とした新規天然有機化合物の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K04945
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分37020:生物分子化学関連
研究機関愛媛大学

研究代表者

倉本 誠  愛媛大学, 学術支援センター, 准教授 (50291505)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード構造解析 / 生体機能分子 / 海洋生物 / 海洋天然物 / 生物活性物質
研究開始時の研究の概要

自然界の動植物は、生息環境によって異なる多様な代謝物を内包している。人々はそれらを理解し、利用してきた。本研究では海洋生物を中心として、新たな物質を探索しその構造と機能を明らかとする。特に愛媛県周辺の宇和海、豊後水道、伊予灘などにおいて、水深100m付近に生息する海洋生物に注目して研究を実施する。特に海綿動物や病貝などの未利用海産資源は、量的な入手が可能であり、これらを対象として生物に内包されている微量な二次代謝産物の探索研究を展開し、構造と生理活性について明らかする。

研究実績の概要

本研究では、愛媛県佐田岬にある三崎漁業協同組合の漁業者の協力により採集した宇和海と豊後水道の水深50~100m付近に生息する海洋生物を対象として生物活性物質の探索研究を実施している。今年度は、研究者の所属している研究施設の全面改修工事のために年内に実験室を2回移転した。そのため、薬品を使用した実験の出来ない期間や生体試料の使用、冷凍施設の使用などに大きな制限があった。しかしながら、前年度までに処理を行っていた試料について、核磁気共鳴装置(NMR)などの機器分析によって得られる特徴的なシグナルを指標として、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を繰り返すことですることで探索研究を行った。
今年度は、前年度に抽出済みの海綿動物抽出液を対象として分離を実施し、4つの物質の単離を達成している。NMRスペクトルおよび質量分析の結果から、これら四つの物質はいずれも塩素原子を有するピロール環、およびチアゾール環を有する新規化合物であった。とくにこのうち二つの化合物はエチルエステル基を有する異性体であったが、今回の抽出操作においてエチルアルコールを使用していないことから、これらのエステル部位は天然由来のものと考えている。これまでの分光分析を基に平面構造の解析は達成したが、微量であり、絶対立体化学の解析まで至っていない。このことから、分解反応及び誘導体への変換を行うことで、全構造の解析を達成できると考えている。
このように、海洋生物を対象として分析を実施することで、新規な構造を有する物質を複数発見することが出来ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和5年度は実験室の設置されていた研究施設の改修工事が実施された。令和5年5月から令和6年3月にかけて実施された工事中は退去することが必要だった。期間中は別学部の施設を一時利用したが、実験室の移設と再設営のためおよそ4か月間実験操作を行うことが出来なかった。また、仮設実験室では実験内容の制限と試料保管に使用する冷凍設備の制限のため、新しい生物試料の採集や新試料の抽出実験などの、一連の実験操作を行うことが出来なかったため、昨年度までに抽出済みの試料を用いて研究を行ってきた。さらに、管理していた核磁気共鳴装置、質量分析装置など大型分析装置類も稼働を停止したために、微量成分の解析が困難であった。
以上の理由から、予定していた研究に対して進捗状況は遅れていると考えている。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、施設改修も終了しており、新しい実験室を稼働させることができる。生体試料の使用も可能となることから、新しい試料の採集と活性試験を予定している。漁業者との打ち合わせも行っており、令和5年5月に一か月間の最終を実施してゆく。これにより、数十キログラムのしりょうの入手が可能となるので、これっら新しい資料について調査を実施する。また、昨年度単離した物質の立体化学解析と合わせて微量同族体の調査を実施してゆく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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