研究課題/領域番号 |
23K04947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松丸 尊紀 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (90636549)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自然免疫 / 糖脂質 / 化学合成 / リポタイコ酸 / C型レクチン受容体 / 生物活性 |
研究開始時の研究の概要 |
リポタイコ酸(LTA)は細菌種によって様々な化学構造を有するとともに、その構造の微細な違いが免疫調節能に影響を与える可能性が示唆されている。本研究では、特徴的な構造を有する細菌由来LTAの合成法の確立および関連化合物の合成を行うとともに、構造-自然免疫受容体を介した免疫調節能の相関を基に免疫調節機能を解明する。また機能化した新規分子を創製し、自然免疫受容体の機能解析を目指す。
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研究実績の概要 |
グラム陽性菌の細胞壁成分の一種であるリポタイコ酸(LTA)は細菌種によって様々な化学構造を有するとともに、その構造の微細な違いが免疫調節能に影響を与える可能性が考えられる。しかし天然において糖脂質は、脂質および糖部位等の異性体が混在するとともに、それらは似た物性を示すことが多いことから、単一分子の正確な生物活性評価が困難な場合がある。そこで本研究では、特徴的な構造を有する細菌由来LTAおよび関連化合物の化学合成を行った後、自然免疫受容体を介した免疫調節能や結合親和性評価へと展開することで免疫調節機能を解明する。また相互作用を指標とした新規機能性分子の創製と利用による受容体の機能解析を目指す。 本年度はLTAの部分骨格となる特徴的なグリセロ型糖脂質構造の合成について研究を進め、効率的な誘導体合成が可能な骨格構築法を確立した。本手法はグリセロール部位および糖部位に対する選択的な化学修飾が可能であるとともに、不飽和脂肪酸をはじめとした様々な脂肪酸あるいは種々の機能性基の導入が可能である。実際にこれまでに合成報告例のない細菌由来グリセロ型糖脂質の初の全合成を含む様々な誘導体の合成を達成し、新規糖脂質ライブラリの構築に成功した。さらに構築した化合物ライブラリの活性評価を行った結果、生物活性が未報告の天然型構造をはじめとした種々の誘導体において、自然免疫受容体を介した免疫調節能を有することを世界に先駆けて見出すとともに、構造活性相関を明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
部分骨格となるグリセロ型糖脂質構造の合成法確立は順調に達成している。また、細菌由来グリセロ型糖脂質の初の全合成を含む様々な誘導体の合成を達成し、化合物ライブラリを構築した。化合物ライブラリに対する活性評価を含む機能解析を行い、合成した糖脂質が自然免疫受容体のリガンドとして機能することを見出すとともに、構造活性相関を明らかとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は確立した手法を応用することでさらなる誘導体合成を行うことで化合物ライブラリを拡充するとともに、種々の機能評価へと展開する。また、計算化学的手法によって糖脂質リガンド-自然免疫受容体の結合様式を解析するとともに、新規機能性分子の設計と合成へと展開する。
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