研究課題/領域番号 |
23K04963
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
武森 信暁 愛媛大学, 学術支援センター, 講師 (40533047)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミドルダウンプロテオミクス / ポリアクリルアミドゲル電気泳動 / プロテオフォーム / BAC-PAGE / 質量分析 / GeLC-FAIMS |
研究開始時の研究の概要 |
生体内プロテオフォームを大規模に解析するトップダウンプロテオミクスは、質量分析を用いてインタクトタンパク質の化学構造解析を実施する。しかし現在利用可能な質量分析装置の性能では、50 kDaを超える高分子量プロテオフォームの構造解析は一般に困難な状況にある。そこで本研究では、目的分子量領域のタンパク質成分を選択的に迅速回収できる独自開発のゲル電気泳動法と、タンパク質を50 kDa以下のサイズに断片化してから化学構造解析をおこなうミドルダウン質量分析のアプローチを組みあわせ、生体サンプルに含まれる高分子量プロテオフォーム成分の大規模解析を可能にするミドルダウンプロテオミクス法を新たに開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では、現在主流のトップダウンプロテオミクスアプローチでは解析が難航している高分子量プロテオフォームの高深度解析の実現に向けて、研究代表がこれまでに開発した可溶性BAC架橋ポリアクリルアミドゲル電気泳動(BAC-PAGE)およびゲル内タンパク質の高効率受動抽出法(PEPPI-MS)を活用したゲルベースの新規ミドルダウンプロテオミクス法の開発を行う。今年度は、生化学実験において通常使用される不溶性Bis架橋ポリアクリルアミドゲルを用いたSDS-PAGEと、可溶性BAC-PAGEを組みわせたPAGEベースの2次元プロテオフォーム分離システムを開発し、ミドルダウン解析用サンプルを高分解能分画するためのサンプル前処理ワークフローの構築を行なった。開発した二次元分離システムにおいて生体サンプルから抽出したプロテオーム成分は、(1)BAC-PAGEによる1次元目の分離(インタクトタンパク質レベル)、(2)BACゲル内タンパク質のGlu-Cによる限定消化、(3)還元処理によるBACゲルの溶解、(4)溶解ゲルを用いた二次元目のSDS-PAGE分離(ペプチドレベル)、(5)PEPPI-MSによるゲル内消化ペプチド(50 kDa以下)の回収により、詳細に分画された。得られた消化ペプチド分画は、アニオン交換StageTipにより精製した後、質量分析を用いたミドルダウンプロテオミクス分析に供した。ヒト細胞抽出サンプルを用いた検証実験では、BAC-PAGE分画を行わない1次元分画ワークフローと比較して、今回開発した二次元分画ワークフローでは検出可能なミドルダウンペプチド数が約2倍向上する結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、BACゲルの溶解特性を活用したPAGEベースのサンプル分画法の開発に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は損失を抑えた二次元サンプル前分画ワークフローの開発に成功しており、今後は開発したワークフローとLC-FAIMS質量分析システムを組み合わせた高深度ミドルダウンプロテオミクスのための計測基盤(2D-GeLC-FAIMS-MS)の構築を進める。
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