研究課題/領域番号 |
23K04969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
河合 健太郎 摂南大学, 薬学部, 准教授 (60826246)
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研究分担者 |
片岡 誠 摂南大学, 薬学部, 教授 (00340860)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 薬物動態学的増強因子 / アンテドラッグ / 低分子創薬 / 薬物動態学的増強因子(ブースター) / イミダゾリルフェノール誘導体 / 薬物代謝酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
経口吸収性が低い化合物を経口剤として開発するために、薬物の血中濃度を高く保つ作用を持つ化合物(ブースター)が配合される。現在、HIV治療薬のゲンボイヤや、COVID-19治療薬のパキロビッドにブースターが配合されているが、ブースターは肝臓の薬物代謝酵素(CYP)を阻害するため、他剤との併用が出来ない。申請者らが見出したシード化合物は、小腸でCYPを阻害するが、体内に吸収された後は速やかに代謝され活性を失う、アンテドラッグとしての性質を持つ世界で初めてのブースター候補化合物である。この性質を生かし、ブースター作用を増強した新たな化合物を創出し、医薬品開発のための基盤を構築したい。
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研究実績の概要 |
今年度は研究計画に従って、イミダゾール環を有するシード化合物をもとに種々の誘導体の合成に取り組んだ。具体的には、新たなフェニルアゾール誘導体のほか、イミダゾール環とフェニル環の間にメチレンリンカーを導入した新規化合物を設計し、これらの誘導体合成を実施した。これらの新規化合物については、当初の計画通りに合成を達成し、このうち幾つかの化合物については、CYP阻害活性についても評価済みであり、これらの誘導体に関する構造活性相関の解析が進展した。 さらに、活性発現において重要な官能基であるイミダゾール環部分の構造活性相関を確認するため、イミダゾール部分の変換にも取り組むこととした。CYP阻害作用を増強するためには脂溶性の向上が重要であると考え、イミダゾールと異なる含窒素複素環に着目した。この複素環の脂溶性は、イミダゾールに比べてlogP値でおよそ1ほど高いことに着目し、より脂溶性を高めた含窒素複素環を有する新規誘導体の活性に期待した。そして、幾つかの新規誘導体を設計し、合成に着手した。これまでに、新規誘導体の重要中間体の合成を達成しており、今後の研究により、活性評価に供する化合物の合成を達成する予定である。 また、これまでに合成したベンジルエーテル誘導体やエステル誘導体に関して、アンテドラッグとしての作用を確認する目的で、各種のin vitro代謝試験を実施した。 これらの研究成果の一部については、国内学会、国際学会での発表のほか、学術論文としても公表することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、種々の誘導体の合成と活性評価を達成している。また、イミダゾールとは異なる含窒素複素環を有する新規誘導体についても、重要中間体を中心とした化合物合成を達成している。さらに、シード化合物のアンテドラッグ作用に関して、in vitro評価系により理解が進んだことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、研究計画に沿って化合物合成と活性評価のサイクルを継続的に展開する計画である。この合成と評価のサイクルを繰り返すことで、in vitroで高活性な化合物を得るとともに、in vivoで効果を示すリード化合物の取得を目指す。
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