研究課題/領域番号 |
23K04976
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 曜子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80813237)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 15N-SIP / アンモニア生成 / GCMS / メタトランスクリプトーム解析 / アンプリコン解析 / 水田土壌 / DNRA / 脱窒 / 窒素固定 / アンモニア |
研究開始時の研究の概要 |
水田土壌においてイネの窒素養分(アンモニア)が生成する反応は、DNRA・窒素固定である。DNRAの最初のステップは脱窒と共有しており、生じたNO2は脱窒によりN2OやN2に、またはDNRAによりNH3に変換される。脱窒の最終産物であるN2は、窒素固定によりNH3に変換され得る。すなわち、これら三反応はアンモニア生成の観点から統合的に捉える必要がある。本研究では、水田土壌のアンモニア態窒素供給力を向上させるための基礎的知見を得ることを目的とし、水田土壌ミクロコズムを用いてこれらの反応により消費および生成される窒素化合物量とその遷移、各反応を駆動する微生物群を明らかにする。
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研究実績の概要 |
水田土壌ミクロコズムを作製し、アンモニアへと変換される各種の15N標識窒素化合物(15NO3-, 15N2O, 15N2)を添加した。コントロールとして14NO3-, 14N2O, 14N2添加区も作製した。それぞれの窒素化合物量の変化をGCMS を用いて調べるとともに、 抽出した土壌DNA・RNA解析を行ってSIPおよびアンプリコン解析、メタトランスクリプトーム解析を行い、15Nを取り込んでいる微生物群およびアンモニア生成反応の各ステップを駆動している微生物群を詳細に調べた。 その結果、これまでに以下のことがわかった。 ・15NO3-を添加区では、15N2Oおよび15N2添加区よりも培養早期に微生物による15Nの取り込みが見られた。 ・15N2O添加区では15N2添加区よりも培養早期に微生物による15Nの取り込みが見られた。また、添加されたN2Oは主にnosZによりN2へと変換され、その後nifによりアンモニアへと変換されていることがGCMS解析およびメタトランスクリプトーム解析により示された。 ・密度勾配遠心を行うことで、より重い画分に16S rRNA遺伝子がシフトしているサンプルを選択しアンプコン解析を行ったところ、全ての添加区において共通して15Nを取り込んでいる細菌が存在した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水田土壌においてさまざまな窒素化合物由来の窒素を取り込んでいる微生物群の解析を終えた。現在、メタトランスクリプトーム解析を用いて異化的反応を駆動している微生物群についての調査を行っている。今後は、アンモニア生成がより促進される条件の探索を行う。
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今後の研究の推進方策 |
pHや電子供与体および電子受容体量を変化させた条件で前年度と同様の実験を行い、結果を比較することでよりアンモニア生成の活性が高まる条件を調査する。また、その際に活発にアンモニア生成を行っている微生物についての知見を得る。本研究から得られる知見は、窒素施肥に依存しない水稲栽培技術の開発につながるものである。
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