研究課題/領域番号 |
23K04977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
和田 慎也 神戸大学, 農学研究科, 助教 (80637942)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 光合成 / 電子伝達 / 光酸化ストレス / 活性酸素 / ライブイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
植物は生育に不適な環境に曝されると、通常光合成に利用していた光エネルギーが過剰となり、様々な障害の原因となる活性酸素を生み出す危険を常に抱えている。特に光化学系Iと呼ばれる光合成装置からの活性酸素生成は、葉の光合成能力および植物の生育に致命傷となると言われる。しかし、光化学系Iからの活性酸素生成は、間接的な方法によって示されてきたが、直接的な方法で証明された例はない。本研究では、活性酸素を直接感受する活性酸素センサータンパク質を利用し、生理的な環境で光化学系Iからの活性酸素生成を直接的に証明することに挑戦する。
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研究実績の概要 |
本研究は、植物の光酸化傷害機構における光合成光化学系I(PSI)からの活性酸素種(ROS)生成を、ROS特異的マーカータンパク質(roGFP-ORP1)を用いて検出することを目的とする。 2023年度は、まず解析に必要な植物材料の作成を行った。レドックス感受性緑色蛍光タンパク質(roGFP)と、酵母由来H2O2-スカベンジングペルオキシダーゼ(ORP1)の融合タンパク質(roGFP-ORP1)を恒常的発現プロモーター(35Sプロモーター)の制御下で発現するベクターコンストラクトを作成し、アグロバクテリウム法によりシロイヌナズナへ導入した。roGFP-ORP1マーカータンパク質は、細胞内局在の異なる葉緑体型と細胞質型の2種類を作成し、形質転換導入を行った。形質転換当代の種子を抗生物質耐性により選抜を行った結果、複数の形質転換株の選抜に成功した。いくつかの形質転換株を栽培し、共焦点顕微鏡にて生葉の葉肉細胞を観察したことろ、葉緑体および細胞質にて導入したGFPの蛍光が観察される個体が確認できた。形質転換体DNAにおける導入コンストラクト配列のPCRによる検出、および継代してもGFP蛍光が安定して観察できる系統の選抜をもって、目的の形質転換体の作出を完了した。 一方で、2023年度の段階では、作成した形質転換株のROS感受性の評価実験を行うには至らなかった。次年度は、その評価を中心に実験を展開していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属研究機関の異動が生じたことにより、研究室の引っ越しのため、研究可能な期間が制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、昨年度作成したroGFP-ORP1マーカータンパク質発現株を利用して、光合成光化学系I(PSI)からのROS生成の実証を行う。これまでにPSIの光酸化傷害が観察されている連続的パルス光照射条件における、PSIの機能傷害時におけるマーカータンパク質のスペクトル変化を観察する。また、同形質転換体から単離した葉緑体を用いて、人為的に活性酸素(H2O2)を添加した際のスペクトル変化も観察することで、in vitroにおけるマーカータンパク質の活性酸素感受性を評価する。
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