研究課題/領域番号 |
23K04978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
蜂谷 卓士 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (80709311)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | FNR / RFNR / フェレドキシン / 硫黄同化 / 活性酸素 / 根型フェレドキシン-NADP(H) 酸化還元酵素 / 根型FNR |
研究開始時の研究の概要 |
根型フェレドキシン-NADP(H) 酸化還元酵素(RFNR)は、NADPHからFdに電子を転移させることによりFd依存プロセスに寄与すると考えられている。しかし、致死性のためにRFNRヌル変異株の種子の取得が困難であることから、RFNRの生理機能の解析は進んでいない。我々は最近、接ぎ木技術を用いてRFNRヌル変異株の種子を得ることに世界で初めて成功した。本研究では野生株とRFNRヌル変異株の根を用いたオミクス解析によりRFNRの生理機能を明らかにする。また、RFNRと in vivo で相互作用するFdおよびFd様タンパク質の同定も目指す。
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研究実績の概要 |
根型フェレドキシン-NADP(H) 酸化還元酵素(RFNR)の生理機能の解析を進めた。RFNR1欠損株とRFNR2欠損株の交配と自家受粉から得られたF2世代を用いてジェノタイピングと根長を解析した結果、遺伝子型と根長の関係が概ねわかった。RFNR1,2二重欠損株の根の伸長阻害を回復する薬剤や栄養条件を探索した結果、ある酵素の阻害剤の添加によって回復が見られた。野生株とRFNR1,2二重欠損株の根を顕微鏡観察した結果、二重欠損株の根端に特徴的な構造変化が見られた。別のRFNR2欠損株アレルをもちいて二つ目のRFNR1,2二重欠損株の作成を進めた結果、F2世代で根の伸長が著しく低下したホモ候補株が得られた。野生株とRFNR2欠損株をもちいた根への局所的な亜硝酸添加実験と、RFNR2プロモーター:GUSレポーター株の解析の結果、根端で発現するRFNR2が亜硝酸条件における根の伸長に重要であることが示唆された。野生株とRFNR2欠損株の根端をもちいたRNA-Seq解析と、RFNR2欠損株の根の伸長阻害を回復する薬剤の探索の結果、RFNR2が亜硝酸条件における硫黄同化の低下や活性酸素の過剰産生を防ぐ可能性が示唆された。野生株とRFNR2欠損株の根端の亜硝酸イオン分析の結果、RFNR2が亜硝酸条件における根端での亜硝酸還元に寄与する可能性が示唆された。CYCB1;1プロモーター:GUSレポーター株の解析や根端の発現解析の結果、RFNR2欠損が亜硝酸条件における根端分裂組織の分裂活性にほとんど影響を与えないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RFNRについて様々な観点から解析が進んだ。特に根端のRNA-Seq解析によって、RFNR2の根の伸長への寄与を俯瞰的に分析できるようになった。RFNR1とRFNR2は冗長的に機能すると考えられているため、RFNR2の解析から得られた知見を参考にしながらRFNR1,2二重欠損株の解析も進めることができるだろう。全体的に整合性のある結果が得られており、包括的な理解が進んだといえる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の解析から、RFNR1/2に関して遺伝子型と根長の関係が概ねわかった。しかしデータのバラツキが大きいため、今年度はさらに検体数を増やして解析する。昨年度の解析から、亜硝酸条件におけるRFNR2欠損株の根の伸長阻害を回復できる複数の薬剤を見出した。今年度は、これらの薬剤がRFNR1,2二重欠損株の根の伸長阻害も回復するかについても検証する。また、RFNR2欠損株とRFNR1,2二重欠損株の根の伸長阻害を回復する薬剤や栄養条件の探索もさらに進める。昨年度の解析から亜硝酸条件におけるRFNR2欠損株の根の伸長阻害が、根端分裂組織の分裂活性の低下によらない可能性が示唆された。今年度はRFNR2欠損によって細胞伸長が低下した可能性を検証する。昨年度の解析から、亜硝酸条件におけるRFNR2欠損株の根端では、硫黄同化の低下や活性酸素の過剰産生が起きている可能性が示唆された。今年度は根端の網羅的な代謝物分析や活性酸素分子種のイメージングなどを実施する。昨年度の解析から亜硝酸条件におけるRFNR2欠損株の根端では、亜硝酸イオンの蓄積がみられた。本年度は根端で亜硝酸イオンのとりこみに寄与する遺伝子の同定もめざす。昨年度の解析から、二つ目のRFNR1,2二重欠損株の候補株(根がほとんど伸びない)が得られた。今年度は、接ぎ木をもちいて候補株の根を野生株の根と置き換え、十分生育させた後、ジェノタイピングにより遺伝子型を決定した後、ホモ種子を回収する。
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