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水田土壌中ヒ素の酸化を促進する物理化学的戦略の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K04982
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

山口 紀子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, グループ長補佐 (80345090)

研究分担者 須田 碧海  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 主任研究員 (20789573)
中村 乾  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (50450268)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードヒ素 / 酸化 / 鉄 / 水田土壌 / XANES
研究開始時の研究の概要

湛水期間中に4日間程度の落水期間をはさむ水管理によって、湛水のメリットを活かしたままコメのヒ素濃度低減が可能であることが実証されている。落水によるコメのヒ素低減技術の鍵は、「酸化によるヒ素の不溶化」である。しかし、ヒ素の酸化が土壌の物理化学的特性にどのように支配されているかについては不明な点が多い。本研究では、還元状態から酸化状態にシフトする土壌中において土壌構成成分がヒ素酸化速度におよぼす影響を明らかにし、水田土壌中ヒ素の酸化を促進するための物理化学的戦略を提示する。

研究実績の概要

還元状態の土壌に酸素が侵入し、土壌が酸化状態にシフトするプロセスにおけるヒ素の化学形態を分析し、土壌固相におけるヒ素の酸化と溶存ヒ素濃度低下の関係を示すことを目的とした実験をおこなった。
特性の異なる3種類の水田土壌を30℃で35日間湛水培養することにより、還元土壌を調整した。土壌懸濁液をビーカー内のスターラーを用いて激しく攪拌する方法、およびメンブランフィルターを用いて土壌懸濁液を濾過し、フィルター上の土壌固相に吸引ろ過装置で通気し続ける2種類の方法によって、還元土壌を酸化状態にシフトさせた。懸濁液を攪拌する実験系では、経時的に酸化還元電位、pHを測定するとともに懸濁液を採取し、液相側のヒ素、鉄濃度を定量した。通気後、30分から5日経過後の土壌固相を回収し、分析まで凍結保存した。あいちシンクロトロン光センターBL5S1においてヒ素K吸収端 X線吸収スペクトル近傍構造(XANES)を分析し、最小二乗法フィッティングにより、As(III)、As(V)の存在割合を算出した。
還元土壌が空気と接触後、30分で土壌の酸化還元電位が100mV程度上昇したが、As(III)の存在割合は数%程度しか減少しなかった。5日後、酸化還元電位が+500mV程度まで上昇したにもかかわらず、いずれの土壌も40%程度のヒ素がAs(III)のまま存在していた。土壌固相におけるAs(III)からAs(V)への酸化速度は、溶存ヒ素濃度の低下よりも遅い傾向があることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

水田土壌薄片の元素マッピングおよび局所形態分析を予定していたが、SPring-8 BL37XUの利用課題が不採択となり、実験を実施できなかった。その他の実験については予定通り実施できた。

今後の研究の推進方策

引き続き、特性の異なる土壌を用いて、還元から酸化にシフトする段階でのヒ素の形態変化および、溶存濃度との関係を培養実験により明らかにする実験を行う。
また、湛水状態の水田より採取した土壌から作成した薄片を用いて、水稲根圏のヒ素の酸化状態の空間分布からヒ素が酸化しやすい領域の特徴を解析する。局所分析のための放射光施設ビームタイムが確保できなかった場合は、資材添加等により局所環境の再現を試み、どのような条件下で固相のAs(III)をAs(V)に効率的に酸化することが可能かを検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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