研究課題/領域番号 |
23K04987
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中村 美紀子 信州大学, 基盤研究支援センター, 准教授(特定雇用) (20457310)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 5'-非翻訳領域 / タンパク質合成量 / ルシフェラーゼ / 大腸菌 / 5’-非翻訳領域 / 翻訳制御 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子発現は転写が起点となるため、mRNA量に依存すると考えられている。しかし、転写量が少ないにもかかわらず高発現する大腸菌内在性プロモータの取得に成功した。そのプロモータ解析から、遺伝子発現は転写過程以上に翻訳過程が重要であり、特に5’-非翻訳領域の影響を受けることが分かってきた。5’-非翻訳領域においてリボソームが結合するシャイン・ダルガーノ配列以外に翻訳機構がどのように制御されいるのかは知られていない。そこで、取得した高発現プロモータの5’-非翻訳領域を用いてタンパク質合成量の変化を指標に翻訳にかかわる機能配列を同定し、その機能配列がもつ翻訳制御機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
遺伝子発現はDNAからmRNAが合成されるところから始まるため、mRNAの合成量に依存すると考えられている。しかし、転写量が少ないにもかかわらず高発現する大腸菌内在性プロモータの取得に成功し、最終的な遺伝子発現量はmRNA量だけに依存するわけではないことが分かってきた。特に取得したプロモータの5'-非翻訳領域の解析から、遺伝子発現は転写過程以上に翻訳過程が重要であることが分かってきた。5'-非翻訳領域においてリボソームが結合するシャイン・ダルガーノ配列以外に翻訳機構がどのように制御されているのかは知られていないので、それを明らかにすることが目的である。 そこで本研究では、タンパク質合成量の変化を指標に翻訳にかかわる5'-非翻訳領域の機能配列の探索を行った。取得した高発現する遺伝子の5'-非翻訳領域をベースに様々な変異を加え、レポーター遺伝子に赤色蛍光タンパク質RFPを用いて行った。この方法は、タンパク質合成量を減弱させる変異の取得に有効であったが、増強させる変異は取得することができなかった。そこで、タンパク質合成量を増強させる変異を取得するため、レポーター遺伝子をルシフェラーゼに変更し、ルシフェラーゼ活性を定量することで変異の取得を試み、いくつかの変異候補を取得することができた。RFPの定量化はレンジが狭く発現量の増強、減弱の判断が困難であったが、ルシフェラーゼ活性の定量に変更したことで、詳細な発現データを取得することできるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の当初計画での目標が、取得した高発現する遺伝子の5'-非翻訳領域に変異などの様々な人工配列を与えて、タンパク質合成量の発現データを取得することであったので、計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
機能配列の翻訳制御の解明には、関連するタンパク質を探索することが重要であると考えている。そこで、再構成した無細胞タンパク質合成系を用いて、in vivoでタンパク質合成量を大きく変化させることが分かった変異配列の翻訳量を調べる。in vivoとin vitroで同様な結果が得られれば、その変異は翻訳にかかわっており、再構成に用いられているタンパク質群によって制御されていると考えられ、機能配列を制御するタンパク質を明らかにすることができる。
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