研究課題/領域番号 |
23K04993
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
後藤 正利 佐賀大学, 農学部, 教授 (90274521)
|
研究分担者 |
小林 元太 佐賀大学, 農学部, 教授 (40291512)
二神 泰基 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (60512027)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | Aspergillus kawachii / Monascus purpureus / secondary metabolites / coculture / koji / 麹菌 / Aspergillus / Monascus / 二次代謝物質 / 共培養 |
研究開始時の研究の概要 |
麹菌には、Aspergillus 属の黄麹菌、黒麹菌、白麹菌に加えて、Monascus 属の紅麹菌も存在する。 本研究では、麹菌が潜在的に有する多様な二次代謝物質(SM)の生産能という特徴に注目して、通常の麹菌の単独培養による SM 生産ではなく、細菌との共培養において麹菌が特異的に、新たに生産するSMやその生産機構を明らかにするとともに、麹菌が細菌によってどのような刺激を引き金として特異的なSM生産を生起させるのかを明らかにする。通常とは異なる共培養法によるSM生産能の探索は、麹菌による新規 SM の発見のみならず、 糸状菌の自然界での環境適応の一端を明らかにすることができる。
|
研究実績の概要 |
麹菌には、Aspergillus 属の黄麹菌、黒麹菌、白麹菌に加えて、Monascus 属の紅麹菌も存在する。 本研究では、麹菌が潜在的に有する多様な 二次代謝物質(SM)の生産能という特徴に注目して、通常の麹菌の単独培養による SM 生産ではなく、細菌との共培養において麹菌が特異的に、新たに生産するSMやその生産機構を明らかにするとともに、麹菌が細菌によってどのような刺激を引き金として特異的なSM生産を生起させるのかを明らかにする。 枯草菌との固体共培養によって紅麹菌 Monascus purpureus が、共培養特異的に未同定の推定SMを生産することを明らかにした。紅麹菌のSMの生産には、紅麹菌菌糸と枯草菌の物理的接触が必要であることが示唆された。紅麹菌単独培養と枯草菌ー紅麹菌共培養条件下で、それぞれRNAを抽出して、RNAseq解析により単独培養と共培養間での紅麹菌の遺伝子発現の違いを明らかにした。 一方、白麹菌 Aspergillus luchuensis mut. kawachii と枯草菌、各種乳酸菌、酵母菌と共培養を行ったが、白麹菌の共培養特異的なSMの生産は検出されなかった。そこで、自然界からブイヨン液体培地で生育してくる細菌叢を50サンプル得た。45サンプルの細菌叢においては、共培養特異的な白麹菌のSM生産は認められなかったが、5サンプルの細菌叢と白麹菌との液体共培養で、共培養特異的に白麹菌が推定SMを生産することをHPLCを用いて確認した。白麹菌単独培養と細菌叢ー白麹菌共培養条件下で、それぞれRNAを抽出して、RNAseq解析により単独培養と共培養間での白麹菌の遺伝子発現の違いを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
紅麹菌ー細菌、白麹菌ー細菌叢の間での共培養により特異的に推定SMの生産が認められたので、研究は概ね順調に進んでいるといえる。また、単独ー共培養間での麹菌の全遺伝子発現変動を調べるためのRNAseqデータも問題なく取得できたため、研究は順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
RNAseq解析の結果に基づいて、共培養特異的SMの生産に関与する遺伝子をDyy と Wet実験を実施して、同定する。また、同時にSM化合物の同定も行っていく。
|