研究課題/領域番号 |
23K05000
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
菊間 隆志 立命館大学, 生命科学部, 講師 (90553842)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 麹菌 / Aspergillus oryzae / オートファジー / ヌクレオファジー / 分泌糖タンパク質品質管理機構 / 小胞体におけるタンパク質品質管理機構 |
研究開始時の研究の概要 |
麹菌Aspergillus oryzaeはそのタンパク質分泌能力の高さから、異種タンパク質生産の宿主として期待されている。分泌タンパク質は小胞体における品質管理機構(ERQC)により、分泌か分解か運命が決定されることから、異種タンパク質の分泌生産にはERQCの制御が重要であると想定される。さらに小胞体と核膜は連続的であることから、麹菌においては、オートファジーによる選択的な核の分解(ヌクレオファジー)がERQCに深く関連していると考えられる。本研究は、麹菌におけるERQCの総合的理解を目指し、ヌクレオファジーおよびERQCオートファジーの分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、麹菌の小胞体におけるタンパク質機構(ERQC)の総合的理解を目指し、選択的オートファジーの一つと考えられる、ヌクレオファジーおよびERQCオートファジーの分子機構解明を目的としている。 本年度は、新規選択的オートファジー関連タンパク質の同定を目指し、TAP法により得られた、コアオートファジータンパク質であるAtg8の麹菌オルソログAoAtg8に相互作用すると推測される候補タンパク質から、Yeast two hybrid(Y2H)法によるスクリーニングを行った。36個のタンパク質に関してY2H解析を行ったところ3個のタンパク質でAoAtg8との相互作用が確認された。これらのタンパク質の細胞内局在を観察した結果、2個のタンパク質がオートファゴソーム前駆体(preautophagosomal structure :PAS)様構造に局在し、1個のタンパク質が核様構造に局在することが明らかとなった。一方でこれらのタンパク質をコードする遺伝子の破壊株を作製し表現型解析を行ったが、野生株を比較して顕著な形質を示すものは見られなかった。一般的に糸状菌におけるバルクな非選択的オートファジーの欠損株では、顕著な気中菌糸および分生子形成阻害が観察されることから、候補タンパク質は当初の目的通り、非選択的オートファジーではなく選択的オートファジーに関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究により、麹菌におけるヌクレオファジーおよびERQCオートファジーを含む選択的オートファジー関連タンパク質の候補タンパク質が得られた。さらに、TAP法で得られたAoAtg8相互作用タンパク質からのスクリーニングを進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、AoAtg8相互作用タンパク質からのY2H法によるスクリーニングを進め、局在解析および破壊株の表現型解析を行う予定である。また先行研究で得られたY2HによるAoAtg8相互作用タンパク質の機能解析を進めていく予定である。
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