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フルクトフィリック乳酸菌であるApilactobacillus kosoiにおける新規糖代謝経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05003
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38020:応用微生物学関連
研究機関北見工業大学

研究代表者

邱 泰瑛  北見工業大学, 工学部, 准教授 (60777978)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードApilactobacillus kosoi / フルクトフィリック乳酸菌 / 糖代謝経路 / 難培養菌 / 糖の資化性 / 酵素液
研究開始時の研究の概要

フルクトフィリック乳酸菌(FLAB)に属する A. kosoi は、乳酸菌汎用培地であるMRS培地では全く増殖せず、MRS培地にピルビン酸を添加しても増殖しない。このことから、A. kosoi は、特殊な糖代謝経路を有し、さらにはこれまで知られていないメカニズムによりフルクトフィリック性を獲得している可能性が示唆される。本研究では、A. kosoi を研究対象とし、これまで報告されていない乳酸菌の新規糖代謝経路の存在の証明を目指す。具体的には、次世代シーケンサーによるRNA-seq解析、およびリアルタイムPCRなどの方法を用いて、新規糖代謝経路関連遺伝子の動きを解析し、新規糖代謝経路の全容解明を行う。

研究実績の概要

申請者は、これまで日本の伝統的な自然発酵食品・野菜発酵液から難培養菌の単離に成功し、Apilactobacillus (旧属名Lactobacillus)kosoi の名称で新種乳酸菌として提唱した。糖資化性の特徴と分子系統学的解析から、A. kosoi はフルクトフィリック乳酸菌に属することを明らかにした。しかしながら、A. kosoi が、これまでに見出されているフルクトフィリック乳酸菌とは生育特性や性質が大きく異なることから、特殊な糖代謝経路を有していることを推測した。FLABの代表菌である A . kunkeei は、炭素源としてグルコースのみを含むMRS培地(乳酸菌汎用培地)での増殖が確認され、さらに電子受容体であるピルビン酸の添加による増殖促進効果も確認された。一方、同じFLABに属する A. kosoi では、同じMRS培地ではあまり増殖せず、さらに、MRS培地にピルビン酸を添加しても増殖しない。このことから、A. kosoi は、特殊な糖代謝経路を有し、さらにはこれまで知られていないメカニズムによりフルクトフィリック性を獲得している可能性が示唆される。A. kosoiのゲノムの中に、3-hexulose-6-phosphate isomerase (3H6PI)と3-hexulose-6-phosphate synthase (3H6PS)の遺伝子の存在を見出した。これら2つの酵素の働きにより、D-fructose-6-phosphateをD-arabino-hex-3-ulose-6-phosphateに変換し、その後D-ribulose-5-phosphateまで代謝することができる。RNA-seqの結果によると、グルコースより、フルクトースで培養した方がこの2つの酵素の発現が促進されたことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

炭素源(グルコース、フルクトース)により3H6PIと3H6PSの発現に対する影響を検討するため、glucose-6-phosphate isomeraseのインヒビターである6-phosphogluconate(6-PG)を起用した。6-PGの添加濃度を10 mMまたは50 mMにし、菌体増殖に与えるえ影響を検討した結果、炭素源は20%の場合、10 mMの6-PGを添加した場合、フルクトースで培養した菌体の増加を確認した。なお、フルクトースでの培養に対する影響は見られなかった。さらに高濃度の6-PG(50 mM)を添加した場合、グルコースとフルクトースでの培養に菌体の増殖を抑えることを確認した。
炭素源の制限性を高めるため、濃度を10%に引き下げ、6-PG(10 mM)の添加による影響を確認した。その結果、フルクトースでの培養に対して増殖促進効果、グルコースでの培養に対して増殖阻害効果を確認した。この結果から、炭素源と6-PGの濃度はそれぞれ10%と10 mMを設定した場合、阻害剤が代謝経路に対する影響が見られると判断した。

今後の研究の推進方策

炭素源または代謝経路のインヒビターによる遺伝子発現に対する影響を検討するため、RNA発現量解析の実施する。そこで炭素源10%(w/v)に対して10 mMの6-PGを添加し、増殖対数期の18 hまで培養を行い、RNA 抽出後、RT-qPCR を行う予定である。
また、これまでの培養検討の中に、培地の殺菌方法(オートクレーブ滅菌、メンブレンフィルター除菌)による培養結果に大きな影響を与えていることに気付いたため、別途で培地の調製について精査していく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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