研究課題/領域番号 |
23K05011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
木村 義雄 香川大学, 農学部, 教授 (10243750)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | チオレドキシン / チオレドキシンレダクターゼ / 粘液細菌 / タンパク質のSH基 / グルタチオン |
研究開始時の研究の概要 |
粘液細菌におけるタンパク質のSH基を介した翻訳後修飾機構の全容を明らかにするため、主に機能すると考えられるグルタチオンとチオレドキシンの役割を中心に研究を行う。さらにグルタチオンやチオレドキシンがタンパク質のS-S結合を切断し、活性が変化するチオール酵素を同定し、それらのチオール酵素が粘液細菌の代謝においてどのような働きを有しているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
チオレドキシンの酵素学的諸性質の検討 粘液細菌Myxococcus xanthusはゲノム解析より5つのチオレドキシンと10のチオレドキシンホモログタンパク質及び1つのチオレドキシンレダクターゼを有していると推定された。細菌はシアノバクテリアを除き、チオレドキシンを1から2個程度有している場合がほとんどで、本菌が有するチオレドキシンの数は多く、そのため、最初にこれらのチオレドキシンが触媒機能を有するかどうかをジスルフィド結合を有する低分子化合物やインシュリン、およジスルイフィド結合を開裂することによって活性が上昇する本菌の2つの酵素を用いて、酵素学的諸性質の検討を行った。 その結果、5つのチオレドキシン(Trx1~5)において全ての基質に対して、還元活性が見られ、特にTrx1において高い活性が見られた。一方、10のチオレドキシンホモログタンパク質のうち大腸菌で発現できた7つにおいては、活性は極めて低かったため、ホモログタンパク質はチオレドキシンとして機能していないと考えられた。 チオレドキシンはジスルイフィド結合を開裂するとそれ自身は酸化され、活性部位にある2つのシステイン残基の間でジスルイフィド結合を形成する。この酸化されたチオレドキシンはチオレドキシンレダクターゼによって還元され、活性化される。このチオレドキシンレダクターゼの酵素学的諸性質も明らかにし、従来、細菌のチオレドキシンレダクターゼは基質特異性が高いとされてきたが、本酵素は種々の低分子化合物基質を還元した。また、Trx1~5を基質としてKm値を求めるとTrx1に対して高い基質親和性を示したことから、Trx1の活性が高いのはチオレドキシンレダクターゼによって効率よく活性化されることによると推定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
粘液細菌Myxococcus xanthusが有するチオレドキシンとチオレドキシンレダクターゼの酵素学的諸性質について明らかにし、その結果を現在、論文にして投稿中である。また、生物の細胞に高濃度で存在するグルタチオンは、細胞の還元状態を維持するのに重要な働きを有している。M. xanthusにおけるグルタチオンの機能解析の実験はほぼ終了し、現在、論文を執筆中である。また、本研究の大きな目的の1つである本菌におけるチオレドキシンの標的タンパク質の探索も手法が確立され、7程度のタンパク質が同定され、現在、さらに同定を進めている。これらのことから、おおむね順調に進捗していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
粘液細菌Myxococcus xanthusにおいてチオレドキシン(Trx)がジスルイフィド結合を開裂することにより活性を制御しているタンパク質の探索を引き続き実施する。これまでTrx1とTrx2のチオレドキシン変異酵素を用いて、本菌の対数増殖期と定常期の粗酵素抽出液から標的タンパク質の探索を行ってきた。今後は飢餓誘導による分化時の細胞や種々のストレス条件下での細胞から本菌のタンパク質を調製し、これらのタンパク質のなかから、チオレドキシンにより活性制御を受ける標的タンパク質の探索を行う。探索されたタンパク質が酵素の場合、大腸菌で発現して、実際にTrxによって活性が制御されるかを確認する。 また、チオレドキシンと同様な働きをするとされるグルタレドキシンを本菌は3つ有しているので、これらの酵素学的諸性質の検討を行ったのちに、標的タンパク質の探索を行う予定である。
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